Archive for the ‘復興・技術・未来’ Category

2019/03/11【防災は国防にも直結する有効な投資】

 3月11日で東日本大震災から8年となりました。

 死者行方不明者が1万8千人を超え、関連死を含めると2万人を超えた未曾有の大災害から得られた教訓を大切にしなければなりません。
 

 その教訓の1つが、普段から防災への準備を怠らないということです。

 特に、防災インフラへの投資は、優先されるべき政策の1つではないでしょうか。
 

 にもかかわらず、大震災でインフラ投資の重要性が見直されたものの、バブル崩壊以降、日本の公共投資の伸び率は、先進国の中では最低レベルのままです。

 この背景には、膨らみ続ける財政赤字や、未だに「公共事業=不正の温床」といったイメージが残っていることなどがあるものと思われます。
 

 しかし、防災は国防にも直結することなので、必要なインフラは早急に構築する必要があります。

 ですから、かつての建設国債の発行をためらうべきではないと考えます。

 巨額の財政赤字は、要因となっている社会保障を大幅に見直しつつ、増税ではなく景気回復により税収増を図り、その削減を目指すべきと考えますが、同時に、緊急性の高いものは、国債を発行してでも原資を確保するのが政治の務めではないでしょうか。
 

 日本が防災大国として強固なインフラを構築すれば、安心して経済活動を行える後ろ盾となり、それ自体が富を創出する基盤となります。

 一時しのぎのバラマキよりも、将来に渡って残るものに投資すべきではないでしょうか。

2019/02/21【裁判所が福島の原発事故は回避できたと認める】

 福島第一原発の事故により避難区域から神奈川県に避難した住民などが起こした集団訴訟で、横浜地裁は「対策を取っていれば事故は回避できた」などとして、国と東電に賠償を命じる判決を言い渡しました。

 
 意に反して避難を余儀なくされている方の心中を察するには余りあります。

 国連等の機関の基準に比して現在の避難指示は厳しすぎるとの意見がありますが、避難している方が望むのであれば一日も早く帰宅できるよう、避難指示が本当に妥当であるのか科学的根拠に基づいて改めて検討すべきではないでしょうか。

 さて、今回の裁判では、1千年に一度と言われる大地震に伴う大津波を本当に予見できたのかという意見もある中で、裁判所が「対策を取っていれば事故は回避できた」と認定したことになります。

 福島の原発事故は大自然の猛威を前に人知ではあがなえないことを示しているとして、原発を否定的する人もいますが、必要な対策をキチンと取っていれば、これだけ大きな地震と津波であっても、原発を安全に管理できるということを裁判所が示した形です。

 資源の乏しい我が国にとって、原子力発電は経済面以上に安全保障面で捨ててはならない重要な安定電源です。

 ですから、必要な対策を取って安全が確認された原発は、速やかに再稼動すべきと考えます。

 その上で、脱原発の議論は、安全保障上の脅威が将来的に無くなったと言える時に行うべきではないでしょうか。

2019/02/08【国産自動車メーカーに期待を込めて】

 トヨタ自動車は、往年の名スポーツカー「スープラ」の名を冠した車を17年ぶりに販売します。

 バブル崩壊を経て、各自動車メーカーでは車種が大幅に整理され、スポーツカーは希少な車種になってしまったので、発売を心待ちにしているファンも多いのではないでしょうか。
 

 スポーツカーは、量販が見込めませんが、そのメーカーにとっては、技術力の高さだけでなく自動車造りの哲学をも示す象徴的な存在です。

 しかし、今回のスープラは、独自動車大手BMWと共同開発され、車の基本的な構成要素はBMWなどドイツメーカー製が基になっています。

 もちろん、開発に当たってはトヨタの意見が反映され、エンジンなどにはトヨタ独自の改良が施されていると伝えられていますが、国産スポーツカーファンにとっては一抹の寂しさが感じられてしまいます。

 なぜなら、スープラがどんなに素晴らしい車であっても、それはBMWの技術があってのことと思われてしまいかねないからです。

 トヨタは9年前に独自の超高性能スポーツカー「LFA」を限定発売して技術力の高さを世界に知らしめましたが、現在の技術で量産型の高性能スポーツカーを営業的に成功させるには、全ての構成要素を自社で賄うことが難しいのかもしれません。

 ただ、日産の「GT-R」、ホンダの「NSX」と同様に、顧客の間には〝トヨタにも″という思いはあるのではないでしょうか。

 一方、トヨタは昨年末時点の決算で、北米の販売では伸び悩み、中国への依存度が大きくなっている事業構造が浮き彫りになっています。

 中国市場への依存度が大きければ大きいほど、全体主義とも言える一党独裁国家である中国政府の意を汲まなければならない状況が増えてしまいます。

 日本を代表する自動車メーカーとして、トヨタ自動車にも〝日本の侍スピリット”のような気概を示してほしいと願うのは私だけではないはずです。

2019/01/30【原発はオワコンではない】

原発に反対する野党の政治家が、「原発はオワコンだ」などと討論番組で発言するのを見聞きします。

もともと「オワコン」とは、「終わったコンテンツ」という意味です。

コンテンツとはインターネットや他のメディアで提供される動画や音楽など情報の中身のことを指し、オワコンとは流行が過ぎ去ったり役目を終えたりしたコンテンツということになります。

転じて、先の政治家は、インターネット上のコンテンツに限らず時代遅れのものを指す言葉として「オワコン」という言葉を使ったのかもしれません。

だとすれば、流行りのスラングを使って反原発を象徴的に表現したかったのでしょうが、政治家の発する言葉としては軽薄な印象が拭えません。

なぜならば、現実に避難生活を続けている人がいる訳ですし、世界的に原発の利用が禁止されている訳ではないからです。

事実、原発には維持するべき理由があります。

福島第一原発の事故以降も、原発は資源の無い日本にとって、安全保障上、重要な安定電源である事実に変わりはありません。

また、福島第一原発の事故以降、世界で原発の建設が縮小傾向にあることは事実ですが、それでもなお、原発の持つメリットを評価し一定の需要があることも事実です。

そうした需要に対して、福島第一原発の事故を経験した日本こそ、世界一安全な原発を提供する責務があるのではないでしょうか。

更に、伊方原発の再稼動では、阿蘇山の破滅的噴火が議論になりましたが、破滅的噴火が万一起こったとすれば、原発に噴火の影響が直接及ぶことよりも、噴火によってもたらされる寒冷化で太陽光発電の効率が低下する方がよほど現実的ではないでしょうか。

ですから、原発はまだまだオワコンではありません。

日本には、長きに渡って培ってきた高い原子力技術があります。

技術者の流出が伝えられる中、日本でも技術者が活躍する場を閉ざしてはならないと考えます。

2019/01/18【防災のために建設国債の発行を】

 1月17日で阪神淡路大震災から24年が経ちました。

 未曾有の被害を受けた地域は、震災を教訓に防災都市へと生まれ変わりました。

 更には、国内外でも、防災対策の研究やボランティアへの意識を高めました。

 私も7年間、この地域で活動をさせて頂き、住民の皆様が希望を持って立ち上がった結果、心の復興が街の復興を起こしてきたのを肌で感じました。

 一方で、阪神淡路大震災以降も東日本大震災をはじめ、全国で大小の地震被害がありました。

 震災を通じて国民も防災意識が高まっていますが、行政においては対策が追いつかない実情も伺えます。
 

 防災当局としては、分かっていても予算が限られているので難しいというのは事実でしょう。

 であるならば、防災インフラ構築のために建設国債を発行するのはどうでしょうか。

 防災インフラは、いわゆるバラマキ政策とは異なり、将来に渡って国民の資産として残るものです。

 また、防災インフラの恩恵にあずかることで、建設事業や再開発など幾多の富が創出されることでしょう。

 
 従って、防災インフラの構築は、まさに投資といえるものです。
 

 防災は国防にも直結します。

 財政赤字の拡大につながるとして単に諦めるのではなく、防災のための建設国債の発行を是非とも検討すべきではないでしょうか。

2019/01/09【放射線不安を解消する努力こそ必要】

 東京大学の名誉教授らがイギリスの学術誌に発表した福島第一原発事故に関する論文で、住民の被ばく量を3分の1程度に過小評価していたことが分かったと報道されました(※)。

 指定を受けた名誉教授らは、意図的な誤りではないとしながらも、論文の修正の手続きに入ったとのことです。

 

 こうした専門的な論文の誤りを一般のマスコミが伝えるのは稀ですから、原発事故被害に対する関心の高さが伺われます。

 ただ、この報道から実際の被ばく量が論文の3倍だったと聞いて、健康被害が心配になる人もいるのではないでしょうか。

 しかし、今回の論文では、生涯の平均的な被ばく量を18ミリシーベルト以下としていたものが、実際は約3倍の50~60ミリシーベルトだったということです。

 国連科学委員会や世界保健機関などは、年間で100ミリシーベルト以下では人体への影響が認められないとしているので、訂正後の値でも健康被害が懸念される値からは十分小さいことが分かります。
 

 今回の報道も、見方によっては不安を煽っているかのように感じられます。

 論文で具体的な数値に誤りが見つかったことは、科学者として素直に反省すべきだと思いますが、数値に誤りがあったとしても、私たちの生活に影響がない点で変わりがないので、ことさら強調する必要もないのではないでしょうか。

 むしろ放射線に関するいらぬ不安を解消する努力こそ必要だと考えます。

 ※:1月8日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190108/k10011771171000.html

2019/01/07【月の独占利用は許されるべきではない】

 中国は、月の裏側での無人探査機の着陸と月面探査車の発進に成功した模様です。

 
 月の裏側の軌道上からの探査は、日本の月探査衛星「かぐや」も成功していますが、着陸となると中国が世界初となります。
 

 今回の月面探査は、中国にとっては、自国の技術力の高さを世界にアピールし、国威発揚に繋げる思惑がありますが、その先には月の裏側を世界に先駆けて探査することで、資源を独占的に利用したいという目的があると見られています。
 

 月の利用に関しては、平和利用や領有の禁止などを定めた国際的な取り決めがあり、月の資源を独占的に利用することはできないことになっていますが、締結国が少なくほとんど拘束力がありません。
 

 こうしたこともあって、中国が月に関して「一番乗りしたのだから自分たちに権利がある」、「月の裏側は自分たちの管轄圏だ」などと主張し始めることが考えられます。
 

 実際、中国共産党政府は、自分たちの行動が後手に回ったり、既に他国が優位だったりした場合、他国に対し国際法を順守すうよう声高に主張しますが、自分たちが先駆けとなったり、既に優位な地位を確立した場合、国際法を無視して独自の見解に基づいて自らの権利を主張します。

 これは、南シナ海などにおける中国の振る舞いを見れば明らかです。

 ですから、国際社会は、中国に月を独占的に利用されないようにしなければなりません。

 そのためには、我が国も宇宙開発を進め、世界をリードする技術力を蓄積する必要があります。
 

 宇宙には限りないフロンティアが広がっています。

 私たちは宇宙にもっと関心を払うべきではないでしょうか。

2018/12/29【EVかFCVか】

 二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するために電気自動車(EV)を導入する動きが加速しています。

 フランスなどでは政府が将来的にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を示していますし、自動車関連メーカーもEV関連の投資を拡大させています。
 

 EVは、排ガスを出さない他に、ガソリン車やディーゼル車には無い様々なメリットがあるので、その普及を妨げる理由はありません。
 

 ただ、EVは走行時にCO2を全く排出しない訳ではないのです。

 なぜなら、火力発電による電気を利用すれば、間接的にCO2を排出していることになるからです。

 確かに、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%程度であるのに対し、火力発電所の最新のコンバインドサイクルの熱効率は60%近くに達するので、ガソリン車をEVに置き換えればCO2の排出量は減りますが、ゼロという訳ではありません。

 EVのCO2排出量をゼロにするには、EVの製造過程を含め、必要な電力を太陽光などの自然エネルギーか原発によって賄う必要があります。

 しかし、日本では全ての電力需要を自然エネルギーで賄うことは不可能です。

 もちろん原発の再稼動を進めて原発による発電量を増やすことも解決策の一つですが、日本では原発の再稼働をめぐり難しい状況が続いています。
 

 そこで、注目されるのが燃料電池自動車(FCV)です。

 FCVは、EVよりも構造が複雑ですが、水素を使って発電するため、走行時にCO2を輩出しないうえに充電する必要もありません。

 水素の製造方法や運搬方法を適正化すれば、理論上は間接的なCO2の排出量も限りなくゼロにできる可能性があります。
 

 FCVは日本企業に強みがあるので、日本がデファクトスタンダードを握れるかもしれません。

 しかしながら、トヨタ自動車がFCVを発売して4年が経ちますが、インフラ整備の遅れや高額な車体価格もあって、その普及が遅々として進まないことが悔やまれます。
 

 もっとも、EVやFCVの導入の背景には地球温暖化があるのですが、人間の活動によって生じたCO2によって地球温暖化が引き起こされているという考え方は仮説の1つに過ぎません。

 この仮説が現在の主流の考え方になっている訳ですが、仮説はあくまでも仮説ですから、仮説を前提に政策を総動員するというやり方にも注意が必要なのではないでしょうか。

2018/12/28【日本の高い技術力で世界の安全保障に貢献を】

 韓国の駆逐艦によるレーダーロックオン事件で、海上自衛隊の「P-1」哨戒機が注目を集めました。
 

 哨戒機は、上空から艦船や潜水艦の活動を監視し、様々な情報の収集などを行うとともに、必要に応じて攻撃を行うことができる機体です。

 四方を海に囲まれ広大な領海・EEZを有する我が国にとって欠くことのできない航空機と言えます。
 

 哨戒機として洋上監視機を含めれば世界中で多種多様な機材が運用されていますが、潜水艦を探知・攻撃できる機材は限られ、現在、量産中の機材となると更に限られます。

 その限られた機材の1つがP-1です。
 

 
 しかも、他国の哨戒機はほとんどが輸送機や旅客機などを改造した機体であるのに対し、P-1は、同じく国産輸送機である「C-2」と部品の共用化を図っているものの、ほぼ専用設計の機体です。

 搭載される機材も、一部で外国製の装備を採用しているものの、エンジンを含め多くが国産という極めて稀な機体です。
 

 
 日本の航空産業の技術の高さを示す機体であり、能力的にも米国の「P-8」哨戒機と双璧をなすと言っても過言ではないでしょう。
 

 一方で、P-1の採用を決めているのは海自だけであり、調達数も100機を大きく下回るものと見られています。

 
 従って、商業的には必ずしも成功しているとは言えない状況です。

 海外への売り込みでも、関心を示す国があるものの、高額な機体価格がネックになるなどして、採用には至っていません。
 

 
 我が国では武器輸出三原則が緩和されたのも関わらず、開発した防衛装備品については、P-1を含め商談が成立した事例を聞きません。

 だからといって、安易に国産開発を断念しては、日本の次世代の基幹産業の1つとして防衛産業を発展させることはできません。

 
 今後は、開発段階から海外への売り込みを一層想定した開発を行うなど、粘り強く国産開発に取り組み、日本の高い技術力を世界の平和と正義を守るために活用すべきと考えます。

2018/12/14【中国企業の通信機器問題にみえるドイツの親中度?】

 米国は同盟国の政府に対し、安全保障上の懸念から中国企業のファーウェイなどの通信機器を使用しないように要求しています。

 オーストラリアなどは既に要求に基づいて該当企業の通信機器を排除する方針を示していますし、日本政府も対象となる企業名は挙げなかったものの、事実上、排除する方針を示しています。
 

 一方で、ドイツは次世代通信網の構築にファーウェイの通信機器を排除しない方針を示しています。

 その背景には、ファーウェイの通信機器を排除したところで、通信網全体の情報漏えいやサイバー攻撃のリスクは変わらないという考えがあるからとされます。

 こうした方針は、ドイツ国内でも見直すべきとの声も上がっているようですが、経済面で中国との良好な関係を維持したいというドイツ政府の思惑も見て取れます。
 

 しかし、サイバー攻撃を行ったり情報を盗み出そうとしたりする際に、ネットワークセキュリティの脆弱性を突くのと、あらかじめネットワークに仕込まれた悪意ある機能を利用するのとでは、難易度が全く異なります。

 そもそも、攻撃側にメリットが無ければ、通信機器に悪意ある機能を仕込んだりはしないはずです。
 

 よって、中国に外国の安全保障上や経済活動上の機密情報を得るという意思と能力がある以上は、疑わしい中国製の通信機器を使用しないことが、ネットワークセキュリティを確保するためには必要だというのがこの問題の背景です。
 

 ドイツをはじめヨーロッパ諸国は、脅威としての中国の認識が高くないように思われます。

 しかし、中国は自由・民主・信仰という欧米の価値観とは異なる考え方を持っています。

 その中国が覇権を握らないようにするためには、情報通信という最先端分野でも万全の防波堤が必要だという認識を持つべきではないでしょうか。

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