Archive for the ‘外交・国防・安全保障’ Category

2018/07/24【ホルムズ海峡が封鎖されたら】

 米国のイラン核合意からの離脱で、米国とイランの関係が悪化していますが、米国による制裁強化に反発して、イランがホルムズ海峡の閉鎖を示唆しました。
 

 イランはこれまでもホルムズ海峡の閉鎖に言及したことがあり、その度に関係国との間で軍事的な緊張が高まりました。
 

 
 今回、イランがどの程度、本気なのかは分かりませんが、仮に、ホルムズ海峡が封鎖される事態になれば、日本の原油輸入量の8割が調達できないことになります。

 日本の原油備蓄量は、1年分の使用量にも満たない量ですから、私たちの生活に与える影響は計り知れません。
 

 しかも、ホルムズ海峡の封鎖は、中東全体を巻き込んだ戦争に発展するリスクもはらんでいます。
 

 ですから日本としては、米国とイランの双方と良好な関係を築いていることから、仲裁役を買って出ることも検討すべきですし、十分な原油を輸入できない事態を想定して、原発の例外的な再稼動を認めるのかといった議論を深めておく必要があります。
 

 また、ホルムズ海峡の封鎖には、一般的に機雷の敷設と対艦ミサイルによる攻撃などが想定されますが、日本への影響が大きいだけに、それらの対処に日本としてどう関与するのかも検討すべきではないでしょうか。

 国会で集団的自衛権の行使容認が決まった際に、機雷封鎖を想定した議論も行われましたが、現実の課題として考える必要があります。

2018/07/23【貿易戦争が中国の覇権拡大阻止に繋がる】

 トランプ大統領は、北朝鮮の非核化を平和裏に進めようとしています。

 その成功のカギは、指導者である金正恩委員長を立てることにより、軍部などの強硬派が反発できないようにして、北朝鮮の実質的な敗戦処理を行うというものです。
 

 独裁政権は、往々にして強硬な姿勢を示すことで強い指導者を演出して国内の統率を図るので、独裁者が弱い部分を少しでも見せると、離反が起こり、政権が危うくなります。
 

 こうした傾向は、中国も北朝鮮と同じと言えます。

 現在の習近平主席は、好調な経済を背景に反対勢力を排除して、習主席個人に毛沢東や鄧小平と並ぶ権威付けを図っています。

 その過程で、習主席を偉大な指導者として演出する必要があるので、面子をとても大切にしています。
 

 しかし、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争により、右肩上がりで来た中国経済の先行きが不透明になりつつあります。

 中国としては、経済を守るために穏便な形で貿易戦争を回避したいはずですが、仕掛けられた貿易戦争に対し、譲歩する姿勢を見せれば、習主席の面子を潰すことになりかねません。
 

 ですから、盤石に見えた習政権も、トランプ大統領の戦略により難しいかじ取りを迫られていると見ることができます。
 

 実際、中国は米国が仕掛けた貿易戦争に思うような打開策を見いだせない状態が続いており、習主席の権威に反発するような動きが国内に出つつあると伝えられています。
 

 トランプ大統領は、北朝鮮問題の先に、中国の覇権拡大を阻止する計画を描いているように見えます。

 トランプ大統領は稀代の戦略家かもしれません。

2018/07/21【日本の防空に穴が開きかねない事態に】

 過日、那覇空港で立ち往生した航空自衛隊の早期警戒機「E-2」の事故原因は、プロペラの逆推力装置の不具合と見られています。

 この事故を受けて、自衛隊は那覇基地に配備されている4機を含む13機全てのE-2の飛行を停止させています。
 

 南西諸島周辺には、自衛隊のレーダーサイトが4カ所ありますが、地表のレーダーでは、低空を飛行する目標を遠方で捕捉することは困難です。

 目標が、小型であったりステルス機であったりすると、捕捉がより困難となります。

 そこで、高性能のレーダーを搭載した早期警戒機により、上空から警戒監視を行うことで、より的確に対領空侵犯措置などを行うことができます。
 

 しかし、日本周辺の警戒監視活動の重要な役割を担っているE-2の飛行停止は、一時的であるにせよ、我が国の防衛に穴を明けかねない事態です。

 特に、尖閣諸島を始めとした南西諸島周辺では、中国機による日本領空への接近が相次ぎ、那覇基地のE-2は切り札的な存在となっており、この機に乗じた中国の動きも懸念されます。
 

 実際には、E-2と同様の警戒監視機能と、E-2には無い管制機能を併せ持った航空自衛隊の「E-767」という機体が4機あるので、在日米軍と合わせればある程度は補完できるものと思われますが、綱渡り的な状況であることは間違いないでしょう。

  ですから、E-2の早期の飛行再開が望まれますし、今後、導入が予定されているE-2の発展型の早期の運用実現に向けて体制を強化する必要があると考えます。

2018/07/19【沖縄の防衛をどうやって強化するか】

 沖縄の那覇空港で、着陸した自衛隊機がパンクにより立ち往生し、滑走路が1時間40分余りに渡って閉鎖され、40便以上の民間機に遅延や目的地の変更が生じました。

 自衛隊機など軍用機は、安全を軽視して設計されている訳ではありませんが、民間の旅客機に比べると、割り切った設計を取り入れている場合がありますし、任務の性格上、過酷な条件下で運用されることも多いため、どうしても事故をゼロにすることは難しいのかもしれません。
 

 特に、那覇空港は、観光客などの増加と共に民間機の離発着回数が増えているところに、中国軍の侵出に対応するために、共用する自衛隊那覇基地に戦闘機部隊などが増強され自衛隊機の離発着回数も増えています。

 にもかかわらず、現在、滑走路は1本しかないため、混雑に拍車が掛かっています。
 

 現在、那覇空港では沖合を埋め立てて2本目の滑走路を建設していますが、滑走路の数が2本になったとしても、運用上の理由により単純に離発着回数が2倍になるという訳にはいきません。

 こうした状況に対して、左翼勢力などから、那覇空港の軍民共用の限界を指摘する声が上がっています。

 その打開策としては那覇空港とは別に民間空港か自衛隊基地を造るということになりますが、現実的には実現が難しいので、「限界の指摘」とは暗に「自衛隊出ていけ」と言っているようなものです。

 しかし、那覇基地が無くなれば、沖縄をはじめとした南西諸島の防空は、事実上、行えなくなります。

 頼みの綱は、在沖縄米軍と言うことになり、それは国防を他国に委ねるということに他なりませんし、時の米国政府の考え方次第では、沖縄が一党独裁国家である中国の勢力下には入ってしまうことにも繋がりかねないのです。

 自衛隊の那覇基地は、南西諸島唯一の固定翼機を運用する基地であり、国防の要です。

 中国の脅威を踏まえれば、むしろ沖縄方面で自衛隊を如何にして増強するかということを考えねばならないのではないでしょうか。

2018/07/18【米露の関係改善は良いことです】

 2回目となる米露首脳会談が開催されました。

 
 両首脳とも会談の成果を強調していますが、米国などではトランプ大統領に対しロシア疑惑が解明されていない中での融和を批判する声が上がっています。

 日本国内の報道も、米国のマスコミと同様にトランプ大統領を批判的に伝えるものが多いように感じます。

 米国内では、ロシアが先の米大統領選に介入した疑いを持たれていますが、その他にもロシアがスパイ行為を行ったことが明らかになったとして、今はロシアと関係改善を図る時ではないとの見方があります。

 しかし、ロシアが米大統領選に介入したとされる“ロシア疑惑”では、特別検察官による長期の捜査にもかかわらずトランプ氏がロシアと結託したという証拠は見つかっていません。

 また、米国に対するスパイ行為については、ロシアだけでなく中国も米国との間で苛烈なスパイ合戦を展開しており、ロシアによるスパイ行為をもって首脳会談の開催を批判するのであれば、米国は中国とも首脳会談を開催すべきではないことになります。

 このような見方がある中で、米露が協調することは、世界の安定を築く上でたいへん重要です。

 ヨーロッパでは、ロシアを脅威として見なす国が多く、そうした国々とロシアとの対立を米国が諌めることが可能となりますし、何よりも覇権拡大を続ける中国を牽制することができます。

 中露は潜在的に敵対関係にありますが、もしも、中露が軍事的に結べば、軍事力が最強の米国であっても厄介な存在となります。
 

 ですから、長年の対立を乗り越えてロシアとの関係改善を図るトランプ大統領の決断は、中長期的に見ても英断と言えるのではないでしょうか。

2018/07/15【演習への中国軍の招待は慎重に】

 ハワイ沖で行われている多国間海軍演習「リムパック」を監視するために、中国軍が情報収集艦を派遣しています。

 リムパックには、日本をはじめ環太平洋諸国の海軍を中心に26ヶ国から、艦艇や航空機などが参加していますが、中国は、前回のリムパックには招待されたものの、今回は南シナ海の人工島の問題などにより招待されていません。
 

 前回、リムパックに中国海軍を招待したのには、不測の事態に至らぬように相互の理解と連携を深める目的があったものと思われますが、中国にしてみれば、各国艦艇の情報を収集する絶好の機会と捉えていることは明白です。
 

 ですから、中国をリムパックに招待するということは、中国が演習の内部から情報収集を可能にするということですから、今後も招待には慎重になるべきであると考えます。
 

 ちなみに、海上自衛隊には情報収集艦という艦種は存在しません。

 各護衛艦や航空機に一定の情報収集能力があるということがありますし、わざわざ外国の領域近くにまで出向いて詳細な情報収集を行う必要がないとの考えがあるからのようです。
 

 しかし、中国は、軍備増強が著しいですし、最近では日本近海での演習を増やしています。

 こうしたことからも、日本も、詳細なデータを取集できる情報収集艦の導入を考える時に来ているのではないでしょうか。

2018/07/14【日本のプルトニウムをどう使うか】

 日本のプルトニウムが溜まり続けていることに、米国などが懸念を示しているとのことです。

 
 日本では核燃料サイクルを行うことを前提に、使用済み燃料からプルトニウムを取り出して再利用することが日米原子力協定で認められていますが、福島第一原発の事故以降、各地の原発の再稼動が進まず、プルトニウムが溜まり続けています。

 プルトニウムは、原爆の原料にも使われるため、外国からの懸念が噴出しているようです。

 
 しかし、トランプ政権は安倍政権に対して、内々に「憲法改正」、「空母保有」、「核装備」を促しているとされるので(※)、トランプ政権の中枢は、日本が保有するプルトニウムの増加を本当に懸念しているのか疑問です。

 むしろ、保有するプルトニウムで日本が原爆を製造することを期待しているのではないでしょうか。

 なぜならば、最終的な決着はついていませんが、北朝鮮の核の脅威を取り除く道筋が見えつつある中で、日米の安全保障上の最大の脅威が中国であることに変わりはありません。

 米国としては、中国と核戦争をしてまでも日本を防衛することに躊躇している節があり、できれば、日本独自で抑止力として最低限の核装備を行ってほしいのが本音です。

 しかし、日本では、国民感情として核保有に慎重な意見が大勢ですから、そう簡単に核装備を行うことはできません。

 今後、日本の平和のために、如何に核装備が必要であるかを、政治が国民に説明する必要があるのではないでしょうか。

 ※:The Liberty Web「激震スクープ】トランプが「核装備」「改憲」「空母保有」を首相に要請」https://the-liberty.com/article.php?item_id=13934

2018/07/13【日本も防衛費の倍増を】

 北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議で、トランプ大統領は他のNATO加盟国に対し、防衛費を大幅に増額するよう求めました。

 NATOの国防費の目標値はGDPの2%ですが、今年、この目標値を満たすと見られるのは加盟29カ国中8カ国に過ぎないため、NATO内では目標値に近づけるよう国防費を増額することで一致したとしています。

 しかし、トランプ大統領は、2%では不十分とし4%にまで倍増するよう求めているとされます。

 トランプ大統領にしてみれば、米国はヨーロッパでの駐留経費など多額の国防費を払っているのに、恩恵を受けている他のNATO諸国は応分の負担をしていないと考えいるようです。

 

 トランプ大統領は、他の同盟国に対しても国防費の応分の負担を求めており、日米同盟の日本に対しても同様です。

 現状の日本の防衛費はGDPの約1%(約5兆円)ですから、NATOの考え方を日本に当てはめると、2%で10兆円余りということになります。
 

 幸福実現党は、防衛費の倍増を訴えていますが、2%というのは他国の水準に照らしても、おかしくない数字であることが分かります。
 

 日本の防衛費は、国産装備はスケールメリットが得にくいですし、主な調達先である米国との間には対外有償軍事援助とう枠組みがあり、コスト上昇の要因となっているとの指摘もあります。

 また、他の先進国と同様に人件費が高いということもあります。
 

 そのため、中国の軍備拡張に対応した十分な装備が調達てきているとは、必ずしも言えないのが現状です。

 ですから、防衛費が2倍になれば、必要な装備を調達し易くなります。
 

 日米同盟は、我が国の安全保障の根幹ですが、「自分の国は自分で守る」というのが独立国家として当たり前のことですから、日本政府には防衛費の微増ではなく、是非とも倍増を果たしてほしいものです。

2018/07/11【スパイが活動しにくい制度づくりを】

 中国で、2015年にスパイ罪で拘束された邦人男性が、懲役12年の実刑判決を言い渡されたとのことです。

 この他にも、同様の罪で中国当局に拘束されている邦人が複数おり、今後の動向が注目されています。
 

 日本政府は、如何なる国に対してもスパイ行為を行っていないとし、拘束された邦人の解放に向けて中国政府に働きかけていますが、解放の見通しは立っていません。

 拘束された邦人が、ほんとうにスパイ行為を働いたのか、それとも本人が予期せずにスパイ罪に該当する行為をしてしまったのか、あるいは冤罪なのか、定かではありません。

 中国としては、本人の行動がどうあれ、日本をはじめとした国際社会に対し、「中国はどのようなスパイ行為も許さない」と、一罰百戒として実刑を下した可能性があります。

 他方、中国は世界中にスパイ網を張り巡らせていると言われます。

 日本国内でも、予てから中国スパイの暗躍が指摘されており、訪日中国人のビザなし渡航の拡大で、その懸念は一層高まっています。

 しかし、法治国家の日本では、十分な証拠が無いまま、見せしめとしてスパイを摘発するようなことはできません。
 

 日本の公安など治安当局も、日々奮闘しているはずですが、民主国家では治安当局の権限を強化する法改正などはなかなかできないのが現状です。

 であるならば、親日的ではない国のビザなし渡航の拡大など、せめてスパイが活動しやすくなるような制度改正は思い止まるべきではないでしょうか。

2018/07/09【日本も米国に同調すべきです】

 米中の貿易戦争がエスカレートし、世界経済全体に悪影響を及ぼすと懸念されています。

 米国が中国製のハイテク製品など800品目以上に25%の関税を上乗せしたのに対し、中国も米国製品500品目以上に25%の関税を上乗せする措置を発動しました。

 
 米中には各国の企業が進出していますし、一つの製品も様々な国からの部品で成り立っていることが多いので、単に米中2国間の問題に留まりません。
 

 報道からは、米国至上主義を掲げるトランプ大統領が、世界秩序に逆らって保護主義的な政策を進めているように見えます。
 

 しかし、中国が米国から不公正に利益を上げているとしているトランプ大統領の主張も嘘ではないのです。

 中国は、「政治はマルクス主義で、経済は資本主義」などと言われるので、自由経済のもとで世界第2位の経済大国に躍進したイメージがありますが、中国は自由貿易の旗手ではないのです。

 外国企業が中国国内に進出するには様々な規制がありますし、中国国内の事業を畳んで撤退するにも様々な条件を課されています。

 また、中国企業は国家から有形無形の様々な優遇を受けていますし、国家ぐるみで産業スパイを行っているとの疑いも後を絶ちません。
 

 世界は、中国市場の大きさと成長の可能性の大きさから、中国に取り入れられようと言いなりになっていた部分が少なからずあるのです。
 

 しかし、世界経済は、中国に頼らなくても、成長できる道筋が無数にあるのではないでしょうか。
 

 ですから、今回のトランプ大統領の政策は、勇気がある決断と言えますし、正義に照らしても妥当なものです。
 

 日本政府は、中国との関係改善の道を探っている最中にありますが、中国におもねるなく、むしろトランプ大統領に同調するべきであると考えます。

 不公正な貿易に対する厳しい姿勢は、中国の軍事拡張に歯止めをかけることにもつながるのです。

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