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2018/03/03【露の核戦力強化は対米だけではない?】

 ロシアのプーチン大統領は、年次教書演説で、米国のミサイル防衛システムに対抗するために核戦力を強化する方針を示しました。
 

 具体的には、新型の弾道ミサイルや、核爆弾を搭載した無人潜水艇、原子力を動力とし地球の裏側も攻撃できる長距離核巡航ミサイルなどが上がっています。
 

 
 トランプ大統領が、先月、米国が長らく核戦力の維持に重点を置いてきた方針を転換し、新型の核兵器を開発する方針を示したことも、今回のプーチン大統領の演説に繋がっているものと見られています。
 

 ロシアは、クリミア問題などを巡って欧米と対立していることから、米国を念頭に軍備を強化しているということは間違いありません。
 

 
 一方で、あまり表には出てきませんが、ロシアは台頭する中国を念頭に置いていることも事実ではないでしょうか。
 

 中露は、対米で立場を同じくすることがあるため、一見、関係は良好ですが、歴史的に両国は敵対関係にあります。
 

 その中国の軍事費の総額は、米国には劣るものの、ロシアの3倍以上と、中露間で大きな開きが出来ています。

 経済が好調とは言えない状況のロシアは、兵器の更改を進めてはいるものの、財政難により1世代や2世代前の兵器の姿も目立ちます。
 

 今回の方針では、そうした状況の中で、ロシアが米国だけでなく中国に対しても対抗できるように、核戦力を特に力を入れて強化していると見ることができます。
 

 日本も、こうしたロシアの事情を考慮して、対中国でロシアと共闘できるようにしなければならないと考えます。

 そのために、ロシアに対する経済制裁の緩和もしくは撤回を早急に実施することも、有効策ではないでしょうか。