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2017/12/30【日本も攻撃型空母の保有を】

 海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)を改修して、短距離離陸・垂直着陸型のステルス戦闘機F-35Bを運用可能とすることで、政府が空母保有の検討を行っていると報じられました。

 これに対し、空母の保有は専守防衛を逸脱するとして批判の声が上がっています。

 しかし、DDHを改修してF-35Bを搭載することをもって、外国の敵地を攻撃する「攻撃型空母」とするには、重要な要素が欠けています。

 それは、艦載の早期警戒機(AEW)の存在です。
 

 一般に海上の艦船は、低空で侵入する戦闘機や攻撃機、あるいはミサイルを遠方で発見することは困難です。

 そこで、上空から海面を含む低空の目標を捕捉できるAEWなどとの連携が重要となります。
 

 米海軍などの正規空母には固定翼のAEWが搭載されていますが、短距離離陸・垂直着陸機を運用するいわゆる軽空母は、ヘリコプター型のAEWを搭載するか、陸上のAEWなどと連携することになります。

 しかし、軽空母を外国の敵地への攻撃に利用するとなるとAEWの支援が重要となりますが、ヘリコプター型のAEWでは速度や航続距離が限定さますし、自国内の基地からAEWの支援を受けるとしても限界があります。

 ですから、事実上、外国の敵地攻撃が制約されるのであれば、海上自衛隊のDDHを改修して空母を保有しても、専守防衛を逸脱するとまでは言えないのではないでしょうか。
 

 ただ、それでは地域の安全保障に貢献する日本の役割としては不十分です。

 現時点では、F-35Bの導入だけがクローズアップされていますが、固定翼のAEWに匹敵するオスプレイ改造のAEWの開発に参加するなどして、名実ともに攻撃型空母の保有を日本として目指すべきではないでしょうか。