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2017/06/26【北朝鮮によるあらゆる挑発を想定しておくことが必要】

 25日は、67年前に朝鮮戦争が始まった日であり、北朝鮮は「反米闘争の日」と位置付けています。
この日に合わせて北朝鮮が何らかの挑発行動に出るのではないかと危惧されましたが、今のところ国内で大規模な反米集会を開いたに留まっているようです。

 北朝鮮の挑発行動と言えば、弾道ミサイルの発射や核実験を思い浮かべますが、過去には思いもよらない挑発行動に出ています。
2010年には、韓国海軍の哨戒艦が北朝鮮の潜水艇による魚雷攻撃を受け撃沈されましたし、同じ年、韓国の延坪島が北朝鮮による大規模な砲撃を受けました。
いずれの攻撃も、大規模な武力衝突に発展しかねない事件でしたが、韓国軍や在韓米軍は予期しておらず、事態の推移は北朝鮮のペースで進んだと言えます。

 北朝鮮は、日本に対しても、1993年に事実上の弾道ミサイルを日本列島の上空を通過させましたし、昨年は日本の排他的経済水域内に弾道ミサイルを撃ち込んでいます。
いずれの場合も、それらが起こった時点で、日本政府はそうした事態を十分には想定していなかった節があります。

 今後、北朝鮮は日本に対し新たな挑発手段に打って出る可能性も捨てきれません。
実際、北朝鮮にはサイバーテロの能力がありますし、昨年、韓国に対しGPSへの妨害電波を発射し航空機の発着に影響を与えていますから、その類いの挑発も考えられます。
更には、宇宙空間で核爆発を起こして核パルスによるインフラ破壊なども想定できるかもしれません。

 いずれの場合も、日本に対する明確な武力行使と判断するには議論の余地があるため、対応を想定しておかなければ、その後の事態が北朝鮮ペースで推移するかもしれません。

 日本は北朝鮮によるあらゆる事態を想定し、少しでも攻撃されたと判断されれば、毅然とした態度で反撃する体制を整えておくことで、抑止力を高めておく必要があるのではないでしょうか。