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2017/05/14【有事でも日本政府がTHAAD導入を見送るのは中国への配慮か?】

日本では弾道ミサイル迎撃のために、イージス艦のSM3と陸上のPAC3との間を埋める迎撃システムとして、陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の導入が既定路線のようです。

 先にこのブログでも触れましたが、PAC3の迎撃可能範囲は日本全土をカバーするにはあまりにも狭いため、イージス・アショアの導入で、弾道ミサイル迎撃体制は強化されることになります。

 ただ、既存の弾道ミサイル迎撃システムとしては、他にTHAADがあります。
導入コストやイージス艦との共通性などを踏まえて、イージス・アショアのほうが優位と言うことのようですが、本当にそれだけが理由なのでしょうか。

 韓国は、既に米軍のTHAADを国内に配備することを認めましたが、これに対し中国は、THAADのレーダーで中国国内が監視され、自国の弾道ミサイルの迎撃にも利用されるなどとして猛反発し、経済などの分野で韓国に圧力をかけて両国の関係は悪化したままです。

 こうした状況を踏まえて、日本は中国に配慮してTHAADの導入を見送っていないでしょうか。
よもや「イージス・アショアであれば、配備済みのイージス艦のシステムとほぼ同じなのでやり玉に上がらない」などと考えているのであれば心配です。

 もしも導入費用に制約がなければ、ほぼ固定式のイージス・アショアではなく、海上をどこにでも移動できるイージス艦を増やすほうが、システムの融通性が格段に上がるはずです。
また、THAADはシステム全体が移動式なので、北朝鮮の弾道ミサイルの命中精度はさておき、敵の攻撃に対して強いと言えます。
更に、THAADのXバンドレーダーは、目標の探知距離が長い上に、同時に迎撃できる数もイージスよりも多いと言われています。

やはり国防を第一に考えて、最適なシステムを導入すべきと考えます。

日本の防衛装備品の調達には、いつも費用の問題が付いて回りますが、国庫の予算だけではなく、予てから幸福実現党が提案しているように、国防債の発行により必要な費用を確保することも考えるべきではないでしょうか。