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2017/05/15【北朝鮮の弾道弾発射でトランプ大統領はどう出るか】

 北朝鮮は長距離弾道弾とみられるミサイルを発射しました。
飛距離は8百キロ程度であったのに対し、軌道は高度2千キロ以上にも達し、意図的に射角を高くとったロフテッド軌道と見られています。

 米軍などはミサイルの分析を進めており、発射されたのが米国本土まで到達する大陸間弾道弾であれば、米国にとって一段と脅威が高まったことになります。
北朝鮮は核弾頭の小型化に成功したとの分析もあり、仮に弾頭の大気圏再突入技術が確立されているとしたら、北朝鮮は米国本土を核攻撃できる現実的な能力を持ちつつあるということになります。

 トランプ大統領は、日本海に空母を派遣するなどして北朝鮮への牽制を続けていますが、北朝鮮が何をしたら一線を越えたことになるのか条件を示していません。
今回のミサイル発射が、大陸間弾道弾であったとすれば、米国が行動を起こすための条件の一つとなり得ます。

 また、北朝鮮は、現時点で4人の米国籍を持つ人物を拘束しています。
北朝鮮に入国する人物は、北朝鮮によって人質として利用される恐れがあることを認識の上で入国し、あくまでも自己責任ということかもしれませんが、不当に拘束された自国民を救出することも、米国が行動を起こすための条件の一つになるかもしれません。

 いずれにしても、北朝鮮の暴走に歯止めをかけるための中国の役割に期待する向きありますが、中国が威信をかけて進める一帯一路構想の国際会議初日に、北朝鮮は発射を強行し、中国のメンツはつぶれました。

 「中国がやらなければ、代わりに米国がやる」というトランプ大統領の言葉が思い出されます。
トランプ大統領の今後の動きを注視する必要があります。