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2017/04/30【まだまだ足りない日本のミサイル防衛】

 政府は、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するために、現在のイージス艦の「SM3」と地上配備の「PAC3」に加えて、新たに「イージス・アショア」を導入する方向で検討に入った模様です(※)。

 イージス・アショアとは、SM3を発射するイージス艦のイージスシステムを地上配備型としたもので、同じ地上配備の「THAAD」に比べると射程距離が長いといった特徴があります。
政府としては、イージス艦と共通性が高く運用面で有利であり、また、迎撃範囲が広いため少ない数で日本列島をカバーでき総合的なコストが低く抑えられるなどと言った点から、イージス・アショアを優先的に検討することに至ったものと思われます。

 現在の弾道ミサイル迎撃体制は、SM3とPAC3の2段構えとの建前ですが、PAC3は全国をカバーするにはあまりにも配備数が少なく、事実上はイージス艦のSM3に頼らざるを得ない状況であり、イージス・アショアの導入はミサイル防衛を強化するものとなります。

 ただ、イージスシステムは、一つのシステムで一度に対処できる弾道ミサイルの数が多くなく、飽和攻撃に弱いとの指摘があります。
また、イージス・アショアはイージス艦やTHAADのように移動式ではなくほぼ地上に固定されるので、標的になり易いとの指摘もあります。

 ですから、引き続きTHAADの導入など迎撃体制の強化を図ると共に、発射前に少しでも弾道ミサイルを叩くために、自衛隊の敵地攻撃能力を早急に検討すべきと考えます。
同時に、抑止力を高めるために日本の核装備を、真剣に検討すべき時に来ているのではないでしょうか。

※:4月29日付共同通信ニュースhttps://this.kiji.is/230735631876210692?c=39546741839462401