3月
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2017/03/15【真に経済感覚のある知事ならば】

 東京都の小池知事は、築地市場の豊洲への早期移転について、改めて否定的な見解を明らかにしました。
 

 小池氏はその理由について、築地市場も土壌汚染が明らかになったがコンクリートで覆われているなどしているため安全だとし、一方で、豊洲も同じくコンクリートで覆われているなどしているため安全であるが、都民の信頼を得られていないからだとしています(※)。

 つまり、科学的には豊洲も築地も安全であるが、イメージの問題で豊洲には移転できないと言っているようなものではないでしょうか。
 

 だとすると、既に数千億円もの公金が投じられている豊洲新市場の安全性や必要性をアピールして、都民からの信頼を得る努力をしなければならないのは都の役割とも言えます。

 何だか、先の民主党政権下での八ツ場ダム建設中止と同じ匂いがします。
「コンクリートから人へ」の掛け声のもと、こちらも既に数千億円が投じられていた八ツ場ダム建設工事が中止され、当初、世の中もこぞって民主党の政策を後押ししていました。
しかし、その後、工事中止による弊害が次々と指摘されると、結局、工事が再開されましたが、今ではほとんど誰も文句を言わなくなりました。

 現在の築地市場は、手狭で効率が悪いなど様々な問題があって移転が決まったのです。
本当に経済感覚のあるリーダーであれば、すぐにでも移転を実現させているのではないでしょうか。

 よもや夏の都議選を睨んで、豊洲移転問題を象徴的に利用するという戦略ではないと思いますが、小池氏には、豊洲移転に向けて賢明な判断を期待したいと思います。

※:3月14日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170314/k10010911081000.html?utm_int=news_contents_news-main_003