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2017/01/21【選挙前の世論調査報道のあり方】

 フランスのメディアが、今春、行われる仏大統領選で、世論調査を実施しないと発表しました。

 発表したのはフランスの有力紙「ル・パリジャン」で、実施しない理由を、「世論調査は一時的な傾向を明らかにするものにすぎないうえ、首位の候補者のみに関心が集まりかねない。それよりも選挙戦をめぐる報道に重点を置きたい」としています(※)。

 これは、先に行われた米大統領選やEU離脱に関するイギリスの国民投票で、相次いで事前の世論調査と選挙結果が異なっていたことが背景にあるものと思われます。

 幸福の科学の大川隆法総裁も指摘していましたが、確かに、日本においても選挙前の世論調査は、世論調査を実施したメディア間で調査結果が全く同じということはなく、メディアの何らかの意向が結果に反映されているということを疑わざるを得ません。

 
 実際、保守系のメディアの調査結果は、保守系の政党や候補者が優位という傾向にありますし、革新系のメディアは革新系の政党や候補者が優位という傾向にあることは、多くの人が感じているのではないでしょうか。

 特に日本においては、選挙前に世論調査で特定の候補者や政党が優位と繰り返し報道されれば、「勝ち馬に乗る」という言葉があるように、優位と報道されている側に投票する傾向が多いのではないでしょうか。

 ですから、今回のフランスのメディアの対応は、ある意味もっともなものです。
一方で、今回の米大統領選は、そうしたメディアの報道に左右されずに、米国の有権者が投票したという意味でも、まさに「トランプ革命」だったと言えます。

 日本においても、選挙情勢を把握したいという気持ちも理解できますが、報道によって投票行動が誘導されていくのという実態があるため、この機会にマスコミ報道のあり方を考え直すべきではないでしょうか。

※:1月20日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170120/k10010845951000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_036