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2014/06/01【兵は詭道なり】

南シナ海で中国とベトナムの漁船同士が衝突しベトナム漁船が沈没した事件で、ベトナム漁船に衝突したとされる中国漁船は、実は漁船を装った当局の船であったとの報道があります(※)。

これが事実であるならば、現在議論となっているグレーゾーン事態の例に相当する事件が、実際に起こっていることになります。

もしも、日本の尖閣諸島周辺などで南シナ海での今回と同様の事態となった場合、日本はどのように対処するのでしょうか。

相手が漁船であるならば、一義的には海上保安庁が対処にあたるはずですが、その漁船が実は当局の船で、武装していることが排除できない場合、海上保安庁には相当の覚悟が必要となります。

このように中国は、相手を欺き相手の隙を巧妙についてきますが、戦術の基本はこのような「詭道」なのです。

グレーゾーン事態の議論で、与党内では検討すべき事態を例示していますが、そもそも、自衛隊が「できること」を規定するのではなく、自衛隊が「できないこと」を規定することを考えるべきではないでしょうか。

※:5月31日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20140531-OYT1T50117.html?from=ytop_main2