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2013/11/08【建国以来の精神はどこへ行くのか】

注目されていた米バージニア州の知事選で、民主党のマコーリフ候補が僅差で当選しました(※)。

バージニア州の知事選の結果は、米議会の中間選挙や大統領選挙の行方にも影響を与えると言われており、マコーリフ候補の当選は民主党への追い風になったと言えます。

特に、今回の選挙結果でオバマ大統領の後継候補としてヒラリー・クリントン氏が出馬する環境が整いつつあるとする声が目立ちます。

しかし、今回の選挙結果は、もう一つ大きな意味合いがあります。

それは、選挙戦の争点に上がっていたオバマ大統領が掲げる医療保険制度(オバマケア)の行方です。

対立候補である共和党のクッチネリ氏は、オバマケアを真っ向から批判していましたが、選挙に敗れました。

民意は、僅差とはいえオバマケアに肯定的と言えます。

確かに、オバマケアは国民皆保険とも言える制度で、低所得者層を中心に恩恵を受けることができます。

しかし、一方でオバマケアの導入で、保険料の増加や財政の悪化が懸念されると同時に、国に依存する人を増やし、米国の「自由」や「自助努力」の精神が削がれてしまうことも懸念されます。

このままでは米国も普通の国になろうとしているように映ります。

「自ら身を立て、豊かになろう」という建国以来の精神が失われ、国が私有財産に介入し、貧しさの平等に踏み出してしまうのでしょうか。

オバマ大統領が掲げるリベラル色の強い政策は、米国の力をどんどん弱めていく方向に作用しています。

その意味で、オバマケアを批判する共和党の主張の方に、一定の理があるように思われます。

※:11月6日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/131106/amr13110622340009-n1.htm