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2013/02/28【もしも中国が南鳥島の領有権を主張したら】

日本の南鳥島沖の海底に、レアメタルの一種であるレアアースが高濃度かつ大量に存在することが明らかになったとのことです(※)。

発見された場所は、日本の排他的経済水域(EEZ)内の深海であることから、採取技術が確立されれば、日本が資源大国となる可能性があります。

現在、レアアースは、約9割を中国が生産していますが、一昨年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件以降、中国がその取引を外交カードとして利用して輸出を制限したため、日本の産業界は苦しめられました。

今回の発見は、日本の産業界のみならず外交の観点からも意義があるものです。

しかし、この発見で安心してばかりしてはいられません。

なぜならば、中国が、「南鳥島は中国のものだ」といつ主張してくるかわからないからです。

中国は、日本の尖閣諸島についても、国連による調査で近海に石油が埋蔵されていることが分かった以降、突然、その領有権を主張し始めた経緯があります。

実際、昨年11月に、当時のクリントン米国務長官は、過去に南シナ海の領有権問題を中国と協議した際、中国側が「ハワイ(の領有権)を主張することもできる」と発言したことを明らかにしています。

ということは、南鳥島の領有権も主張しかねないということです。

中国は、急速に海軍力を増強しており、遠洋での作戦能力を着実に積み重ねています。

莫大な海軍への投資を、尖閣諸島、南シナ海、そして台湾の領有などで、実利として回収する目的があると言わざるを得ません。

従って、日本は、南鳥島の実効支配の強化を考慮する必要があるのではないでしょうか。

レアアース採掘のための基地化も一つの策かもしれません。

※:2月27日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20130227/t10015828671000.html