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2012/05/14【中国政府による土地取得に制限を掛けることに消極的な野田政権】

中国政府が総領事館の移転用地として新潟市内で、領事館業務と直接関係のない規模の約1万5千平方メートルの民有地を取得した問題などに関連して、日本政府は5月11日の閣議で、「国有地以外については、外国政府との間の交渉には関与していない」とする答弁書を決定しました(※1)。

写真は、新潟県庁から見える移転用地の写真です。目と鼻の先です。

これは、自民党の秋葉賢也衆議院議員からの「中国政府による広大な土地の取得に対し、国民は懸念を抱いている」として、基準を設けて一定の制限をかけるよう求める質問主意書に対するものです。

新潟市内では今回の土地取得とは別に、市が所有する旧小学校跡地を中国領事館の移転用地として売却する計画がありましたが、市民の反対で中止に追い込まれた経緯があります。

今回の土地は、県庁に隣接した商用の一等地とも言える地区にあり、住民がいないので自治会はなく、民有地でもあったため、住民による売却反対運動を起こしにくい状況だったようです(※2)。

ある意味で巧妙なものを感じます。

一方で、新潟県内の経済界はおおむね移転を歓迎する雰囲気のようですが、一党独裁国家である中国と経済的関係を強めすぎると、政治的な圧力として経済を利用されてしまします。

これは、我が国の自主権に関わる問題に繋がってしまいます。

実際、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件後の中国政府によるレアメタルの輸出規制や、台湾の総選挙など、中国政府による圧力は枚挙に暇がありません。

民主党政権は、この問題に関して3月に玄葉外相が「中国側に土地の使用目的や広大な土地が必要な理由の説明を求めた」と述べ(※3)、中国政府に懸念を伝えておきながらも、今回は、外国による土地取得に規制をかけることには慎重な姿勢となりました。

こと中国に対しては、何かとおもねる姿勢が目立つ民主党政権ですが、このまま民主党政権が続けば、どんどん国益が失われてしまいます。

※1:3月13日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120313/plc12031322190025-n2.htm

※2:5月11日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20120511/k10015055051000.html

※3:3月15日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120315/plc12031520400015-n1.htm