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2011/05/22 【首相は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべき】

【政府、首相の関与否定に躍起―海水注入中断問題 過去の政府資料を訂正】2011年5月21日 産経より

東京電力福島第1原発への海水注入が菅直人首相の「聞いていない」発言により中断したとされる問題で、政府は21日、打ち消しに躍起となった。

細野豪志首相補佐官は過去に発表した政府資料を都合良く訂正した上で「事実に基づかない」と反論したが、政府関係者の証言との矛盾がますます増えており、むしろ疑念は深まった。自民党は週明けから国会で徹底追及する構え。

細野氏は21日夕、都内の東電本店で開かれた政府・東電統合対策室の記者会見で経緯を説明した。

それによると、首相は3月12日午後6時に始まった政府内協議で「海水注入で再臨界の危険性はないか」と聞いたところ、原子力安全委員会の班目春樹委員長が「危険性がある」と指摘したため、ホウ酸投入を含めた方法を検討した。

東電は午後7時4分から1号機でホウ酸を入れない「試験注入」を始めたが、官邸の指示を待つために同25分に注入を停止。首相が海水注入を指示したのは同55分だったとしている。

細野氏は、東電の試験注入について「原子力安全・保安院には口頭で連絡があったが、官邸には届かなかった。首相が激怒することもない。私が知ったのも10日ほど前で驚いた」と首相の関与を否定。

過去に公表した政府資料に「午後6時の首相指示」との記載があることについては「『海江田万里経済産業相が東電に海水注入準備を進めるよう指示した』と記述するのが正確だった」と訂正した。

複数の政府筋によると、首相が海水注水について「聞いていない」と激怒したことは複数の政府関係者が記憶しており、斑目氏が「海水注入は再臨界の危険性がある」などと指摘した事実もないという。

【班目委員長「私は言っていない」再臨界の危険性発言】2011年5月22日 朝日より

班目春樹・原子力安全委員長は21日夜、朝日新聞の取材に対し、政府・東電統合対策室の会見について「再臨界の危険性があるなどと私は言っていない。侮辱と思っている」と反論した。

会見で配布された海水注入をめぐる事実関係の発表文には、「原子力安全委員長から、『再臨界の危険性がある』との意見が出された」などと記されていたが、班目委員長は「発表文は東電と官邸と保安院が作ったもの。原子力安全委員会として抗議する」と話した。

【再臨界の恐れ、ほとんどなかった…識者の見方】2011年5月22日 読売より

再臨界とは、反応を停止した核燃料が再び連続的な核分裂反応を起こすことだ。水には、燃料を冷やすだけでなく、核分裂反応で発生する中性子の速度を落として、再び核分裂反応を引き起こしやすくする働きがある。

自動停止した原子炉では、中性子を吸収する制御棒が核燃料の間に挿入されており、再臨界が起きることはないが、福島第一原子力発電所1号機は冷却水が失われ、最悪の場合、核燃料が溶けて、圧力容器の下部にたまっている可能性があった。

この核燃料の塊に、海水で減速された中性子が衝突して、核分裂反応が連続して起きる危険性がないとは言い切れない。

しかし、藤家洋一・東京工業大名誉教授(原子力工学)は「原子炉は、核分裂反応が起きやすいように、燃料棒の位置などを緻密に設計している。設計が崩れた状況では、反応が格段に起こりにくい。海水の注入で、再臨界が起きる可能性はほとんどありえない」と指摘する。

塩分などの違いで、海水が真水に比べて、再臨界を起こしやすくするようなことはなく、藤家さんは「何よりも、原子炉を冷やすことが最優先だった。海水の注入を中断すべきではなかった」と話している。

引用、以上。

東京電力福島第1原発1号機で震災翌日の3月12日、東電が海水の注入を始めたところ、菅直人首相の意向によって、約1時間中断していた件について、首相や官邸のウソや矛盾が次々と発覚しています。

これまでの政府発表では、海水注入は「首相指示」で、それに対して東電側が「炉が使い物にならなくなる」と抵抗した、と報道されていました。

実際は、東電が海水注入実施を決め、首相が海水注入を妨害したことが明らかになりつつあります。

また、斑目氏が「海水注入は再臨界の危険性がある」などと菅首相にアドバイスした事実もないといい、菅首相や官邸の発表には明らかな矛盾が見られます。

安倍晋三元首相はメールマガジンで「『海水注入の指示』は全くのでっち上げ」と指摘。「首相は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべき」と断じており、野党側も徹底追求する構えです。

今回の海水注入中断事件も含め、菅首相退陣に向け、大きなうねりが始まっています!