社会保障費が膨らんでいる要因の一つに、核家族化の進行があるとする意見があります。
実際、社会保障制度が整備されていなかった戦前戦中は、現在ほど、介護の問題や保育の問題は大きくなかったように思われます。
その理由は、戦前戦中は三世代同居が当たり前だった時代であり、年老いた親の面倒を子供が看たり、孫の世話を祖父母が看たりするのが普通だったからでしょう。
しかし、生活様式が変わり、個を重んじる風潮の中では、昔のように三世代以上の多世代同居が少なくなるのもうなずけます。
ただ、社会保障の観点で多世代同居を見ると、非常に魅力的な制度とも言えます。
新潟県の幸福実現党長岡地区代表の牧野泰代(まきのやすよ)氏は、「安心して子育てができる街」「高齢者に寄り添う街」の実現のための方法の1つとして、多世代同居の促進支援の必要性を訴えています。
具体的には、同居世帯の住民税の軽減などを挙げています。
確かに、多世代同居で介護や育児関連支出を抑制できれば、市町村住民税を減免したとしても、一定の合理性があると言えます。
特に、地方は都市部に比べて住居の敷地面積も広い傾向にありますから、敷地内同居や近距離別居も選択しやすいかもしれません。
もちろん様々な理由から多世代同居が難しい人もいるので現在の社会保障を無くす必要はありませんが、地方行政においても、多世代同居のメリットを見直すことは、社会保障費の削減に繋がるということは押さえておく必要があります。
最近でこそ安倍首相は、増え続ける社会保障費を念頭に三世代同居に言及されていますが、牧野氏や幸福実現党は何年も前から多世代同居を見直すべきと訴えていましたから、先見の明があると言えます。
牧野氏は、多世代で過ごすことの幸福感を多くの人が味わえるよう力を尽くす政治家だと思います。