中国共産主義青年団の宣伝部門が党のマルクス理論研究所と共同で、カール・マルクスを題材にアニメを制作したとのことです(※)。
アニメでマルクスを美化して描くことで、若者を対象に中国共産党のイデオロギーの浸透を図る狙いがあるものと思われます。
そのアニメの内容はさて置き、現実の中国経済はとうの昔に共産主義を捨てて、マルクスが否定した資本主義を取り入れています。
ですから、いくら共産主義を称えたところで、中国共産党は自己矛盾に陥っていると言えます。
マルクスの思想は、理想のように思われた時代もありましたが、ソ連の崩壊により間違いであったことが証明されました。
マルクス思想は、出自において万人を貧しさから救いたいという思いがあったのかもしれませんが、最終的にもたらされる世界は、「貧しさの平等」だったのです。
また、マルクスの思想は嫉妬心の正当化とも言われます。
チャンスは平等に、結果は公平に評価されるのが理想ですが、自分が努力したにもかかわらず思い通りの結果が得られないからと言って、その責任を自分以外の何かに求めるような思想では、成功や発展などあり得ません。
資本家は、必ずしも善人ばかりとは言えないので、嫉妬する気持ちも分からないではなりませんが、本当に豊かになりたいのであれば、必要なのはむしろ「成功者を祝福する心」なのです。
一方で、成功者にも必要な心掛けがあります。
それは、ノーブレス・オブリージ(高貴なる義務)の精神です。
成功しても、謙虚な心を持ちつつ他人を思いやる「利他の心」を忘れないことが大切です。
成功と同時に「徳力」も磨いていくようでなければ、いずれ批判の対象となって思わぬところで足元をすくわれかねません。
※:1月26日付CNNニュースhttps://www.cnn.co.jp/showbiz/35131845.html