来年度予算案の閣僚折衝が行われ、消費増税対策の予算が次々に認められています。
閣僚折衝以前に既に景気対策として認められている予算案を含め、消費増税対策の関連予算は2兆円ともそれ以上とも言われています。
幼児保育の無償化なども消費増税対策の一環と位置付けられているので、増税対策の総額はいったいいくらになるのか分かりにくくなっています。
ただ、消費増税による税収の増分は、当初5兆6千億円と見積もられていたわけですから、膨大な予算措置を講じる必要のある消費増税は何のために行うのか疑問を持たざるを得ません。
政府は、消費増税の目的を増え続ける社会保障の財源確保のためとしています。
その財源を安定的に確保するには、景気に左右される所得税や法人税では足りないので、消費増税が不可欠とのことです。
しかし、不景気により所得税収や法人税収が減るのは事実ですが、その不景気を作り出した大きな要因は他ならぬ消費税そのものではないでしょうか。
事実、消費税導入の際も、税率を3%から5%に増税した際も、5%から8%に増税した際も、その後、景気は悪化しています。
消費増税により景気悪化を招いておきながら、景気悪化に備えて更に消費増税を行うという発想は、つじつまが合いません。
好景気になれば、所得税収や法人税収が増えるので、消費税により国民に負担を強いることなく国庫は潤います。
ですから、消費増税は中止し、むしろ消費減税を行って、国民の間に実感を伴う好景気を実現すべきではないでしょうか。