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2018/12/02【幾重にも積み上がるのが消費増税の怖さ】

 来年10月に消費税率が10%に上がると、税込みで108円の商品の値段が110円になるというイメージがあると思います。

 しかし、実際にはもっと高くなる可能性があります。

 例えば、ある工場で何か製品を作るとします。

 製品を作るには原材料を調達しなければなりませんが、その原材料にも消費税の増税分が上乗せされます。

 原料には、一次原料、二次原料などがある場合がありますから、税抜きで100円だった製品は100円プラスアルファに価格設定しなければ、増税前と同じ利益を確保できません。

 企業側も、増税前に原材料を調達して在庫するなどの防衛策を講じるでしょうが、それとて限度があるので、消費増税の影響はじわじわと効いてきます。

 しかも、問題なのは、企業が原材料などの増税分を価格に転嫁したくても、その後の客離れが心配されます。

 消費増税で販売価格が上がるのに、それに加えて本体価格を上げてしまえば、販売量が減るのは目に見えているからです。

 更には、下請け・孫請け企業となると、なおのこと価格転嫁は困難となります。

 そして、企業の売り上げが減れば、従業員の給与も下がることに繋がります。
 

 このように、「わずか2%の増税」と思っても、その影響は積み重なって、それ以上に負担が増すことが消費増税の怖さです。

 こうした影響は、消費の末端で幾ばくかのポイントを付与すれば帳消しになるようなものではありません。

 消費税率を10%に上げても、日本の財政再建が進んだり、増え続ける社会保障費の問題が解決したりしないことは明白です。

 今ならまだ消費増税は止められます。