今年見直しされる「防衛計画の大綱」の骨子案が明らかになっています(※)。
軍備拡大を続ける中国を念頭に、それに対抗できる防衛力整備を盛り込み、中でもサイバー空間や宇宙空間での防衛力整備に重点を置いています。
また、自衛隊の人員不足に対応するため、装備の省力化や無人化にも力点を置いています。
一方で、敵基地攻撃能力の保有を見送るとともに、既存のヘリコプター搭載護衛艦の空母の改装は継続審議となっています。
これでは、中国の急速な軍拡に対応するには片手落ちと言わざるを得ません。
防衛計画の大綱は5年毎に見直されるため、敵基地攻撃能力の保有が見送られ、空母の保有も見送られるとなると、日中の軍事バランスはますます中国側に傾くことになりかねません。
しかも、骨子案では「従来とは異なる速度で防衛力を強化する必要がある」としている点はいいとして、政府をはじめ与党からは、防衛力強化のための原資をどう確保するかといった議論があまり聞こえてこない点は気がかりです。
防衛計画の大綱は具体的な予算の確保の手法までは踏み込みまないものですが、現在の財政状況と政府方針では、防衛費の大幅増は見込めません。
日本の安全保障にとって日米安保が要であることに変わりはありませんが、不透明な国際情勢を鑑みれば、日本として独自の防衛力を強化することを怠るべきではありません。
そう考えれば、幸福実現党が主張するように防衛費は少なくとも現在の2倍規模にすることが必要です。
減税による景気回復による税収増を図るとともに、バラマキ政策を見直し、必要であれば国防債の発行まで視野に入れて検討すべきではないでしょうか。
※:11月20日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20181120/k10011717621000.html