政府は来年10月の消費増税の際に、経済に与える影響を最小限に食い止めるために様々な措置を検討しています。
その1つに、クレジットカードなどキャッシュレス決済時のポイント還元があります。
しかし、クレジットカードによる決済は、カード会社に支払う手数料が割に合わないため、導入できないでいる小規模・零細の小売店が少なくないのが実情です。
そこで政府は、カード会社に対し、中小の小売店から徴収する手数料を引き下げるよう要請しています。
更に政府は、要請に応じることができない会社のカードをポイント還元の対象から外す方向で調整しているとのことです(※)。
カード会社としては、システムの変更に多額の費用負担を強いられるうえに、消費増税までに十分な時間がないことから、要請に応じることは簡単ではありません。
しかも、ポイント還元の対象のカードとそうでないカードでは、ユーザの利用頻度も変わる可能性が高いことから、各社の売り上げに影響を与える可能性もあります。
また、仮にカード会社がポイントの還元に対応して手数料も引き下げられたとしても、小売店にしてみれば、現金決済の顧客が減ってカード決済の顧客が増えれば、売り上げが同じなら手数料分だけ利益が減ってしまいます。
このように、政府による増税のツケを、民間企業に払わせるようなやり方は到底筋が通らないのではないでしょうか。
※:11月11日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20181111/k10011706741000.html