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2018/10/02【AI兵器の規制に中国は従うか】

 AI(人工知能)を使用して、人間の判断を介することなく自立的に攻撃を行う兵器が実用化されつつあります。

 こうした状況に、映画「ターミネーター」のような悪夢が起こる前に、AI兵器を国際的に制限すべきとの議論があります。

 日本国内でも、そうした議論に同調する動きがあるものの、米露などの反対で、国際的な実効ある制限の枠組み作りは進んでいません。

 AIを使用した無人兵器は、自軍の人的損失を防止できるうえ、休養の必要が無いため稼働時間が長く、更に、誤射を少なくできるとされ、各国で開発が盛んに行われています。

 ただ、AI兵器の暴走が危惧されますし、AI兵器が主体となれば開戦のハードルが低くなるとも言われています。
 

 無人兵器の開発そのものは今後も進展するとして、AIにより自立的に攻撃を行うことを禁止するということは、攻撃前にAI兵器とそれを管理する人間との間で、攻撃可否の判断を下すための通信を行う必要があります。

 その通信の手段は、電波が主体と考えられますが、現代の戦闘では、電波妨害は必ずと言っていいほど行われ、良好な通信環境が常に得られる保証はありません。

 こうしたことからも、自立的に索敵・目標選択・攻撃を行うAI兵器の有用性は増しているのです。

 そして、仮にAI兵器を制限する国際的なルールができたとしても、中国などが厳格にルールに従うとは限りません。

 日本がAI兵器の規制に加わる一方で、中国がAI兵器を続々と実戦配備するような近未来は悪夢です。
 

 尖閣諸島上空に、中国のAIを搭載したUAVが大挙して押し寄せ、それに対して自衛隊の有人戦闘機がスクランブルするなどと言う事態を看過できるでしょうか。