愛媛県にある伊方原発の運転差し止めを求める訴訟で、相次いで原告の訴えを退ける判断が下されました。
原告の主張は、熊本県の阿蘇山でカルデラ噴火などと呼ばれる巨大噴火が起こった際に火砕流が伊方原発まで及ぶなどとのことでしたが、裁判所は巨大噴火によるリスクは社会通念上容認される水準として退けました。
原告としては、「巨大噴火による火砕流が伊方原発を襲えば、電源が失われるなどして原子炉が破損し放射能漏れが起こる可能性がある。だから危険なのだ」ということだと思いますが、そもそも、一般の建築物よりも格段に丈夫な原発が損害を被るような火砕流であれば、他のほとんどの建物は壊滅するはずです。
原発事故以上に巨大噴火による火砕流そのものが格段に危険であり、そのリスクを考慮した対策を立てるとしたら、阿蘇山周辺から数百キロの範囲には人が住んではいけないことになります。
よって、今回の裁判所の判断は妥当ではないでしょうか。
ただ、巨大噴火によるリスクは社会通念上容認されるほど小さいということではありますが、地球の歴史から見れば、過去、実際に起こったということは事実です。
伝聞をひもとけば、大規模な自然災害は、国の政や人心が乱れた時期と奇妙に一致する傾向があり、人間に何かを伝えようとしていると言い伝えられています。
現代に生きる私たちも、そうした大いなる意志に敬意を払い、謙虚に生きる姿勢を忘れてはならないのではないでしょうか。