トランプ大統領は、第3段となる対中国貿易制裁を発動しました。
これに対し、中国商務省は、この制裁で影響を受ける企業の5割近くが外資系であると発表し、トランプ政権を牽制しています(※)。
日本でも、米中貿易戦争は、中国に進出した日系企業が大きく影響を受けるので、日本にとっても対岸の火事ではないとの見方があります。
しかし、日本貿易振興会の2017年の調査では、中国に進出した日系企業の内、対米輸出額の割合は5%程度にすぎないとの数字があるので、中国商務省の発表は実際とは異なるようです。
ただ、サプライチェーンは多国間に渡って複雑に絡み合っているので、実際の影響額はもっと多いと考えられます。
そもそも、外国企業による中国国内での生産は、人件費の高騰などで、かつてほどコスト的なメリットが無くなりつつあります。
しかも、中国は進出した外国企業を政治的に利用するのが常套手段なので、常にチャイナリスクがつきまといます。
ですから、日本の企業は、今回の米中貿易戦争をきっかけに、中国での生産から撤退するという選択肢も、経営判断としてはあり得るのではないでしょうか。
9月24日付産経新聞ニュースhttp://www.sankei.com/world/news/180920/wor1809200021-n1.html