来年度予算の各省庁からの概算要求が出揃い、総額が102兆円余りとなりました。
概算要求がそのまま認められることはないものの、仮に要求額に近い額が認められれば、過去最大の予算となる可能性があります。
予算額が膨らみ続ける要因の一つは、社会保障費の増大です。
今回、厚労省は32兆円近い額を要求しており、その額は過去最大です。
また、国債費は24兆5千億円余りと、国債の償還や利払いに充てる費用が、概算要求の約4分の1を占めています。
昨年度の税収が、上振れしたとはいえ58兆円だったことを考えると、プライマリーバランスがプラスに転じることは全く予想できない状態であり、1千兆円を超える国の借金を減らす目途は立っていません。
将来、今以上に富を生むものに投資するのであれば、例えどんなに借金があろうと心配する必要はありませんが、何十年にも渡って国の借金が増え続ける状況を考えると、今までの国の予算の投資は適切だったのか疑問が湧いてしまいます。
今回の予算編成では、「予算を何にいくら投資すれば、どれくらいの経済効果が上がるか」という視点も重要であり、将来、富を生むものに予算を投じているのか厳しく吟味する必要があります。
このままでは、社会保障費は増大し続ける一方ですから、社会保障費の抜本的な見直しを早急に図らなければなりません。
ギリシャで起こったデフォルト騒ぎは記憶に新しいですが、日本がそのギリシャと状況が異なるとは言え、今までのような予算を浪費し続ける状態から脱する為には、新たな考え方が必要です。
規制の緩和や減税を含め、民間活力を上げる為の検討を始める時期に来ているのではないでしょうか。