米国防総省は、中国の爆撃機が日本や米国の基地を対象とした攻撃訓練を拡大しているとする報告書をまとめました(※)。
中国軍の航空機は、近年、日本周辺での活動を活発化させていますが、昨年、8月には中国軍の爆撃機6機が紀伊半島沖まで飛行しています。
一般に、爆撃機やその派生型は、電子偵察や哨戒に利用されることが多く、そうした機体が単機で日本列島周辺を飛行することはロシアも度々行っていますが、爆撃機が複数で日本本土の近くまで飛来するというのは異例であり、攻撃を想定していると考えられます。
こうした飛行は、明らかに示威行為であり、自衛目的から逸脱していることは明らかです。
ただ、今回、日本に接近した機体を含め中国軍の主力爆撃機は、60年以上前に開発された旧ソビエト製の機体が基になっています。
近代化改修が施されているとはいえ、比較的大型で鈍重な機体であるので、爆撃機だけの編隊に対しては、日本の防空網が機能していれば、深刻な脅威として捉える必要は無いかもしれません。
一方で、問題になりそうなのが、現在、中国が開発しているとされる長距離ステルス爆撃機です。
どの程度のステルス性能を有しているかは不明ですが、現在の自衛隊のレーダーでは、だいぶ接近してからでなければ捕捉できない可能性があります。
しかも、そのステルス爆撃機は、中国の核戦略を担う一翼になると見られています。
こうしたことから、中国は、地域で覇権を握りたいという野心を露わにしていると言えます。
そうした理由から、私たち日本は、中国が「平和を愛する諸国民」であると考える訳にはいかないのです。
※:8月17日付CNNニュースhttps://www.cnn.co.jp/world/35124176.html