中国は、極超音速飛翔体の発射試験に成功したと発表しました。
極超音速飛翔体とは、従来の戦闘機やミサイルの最大飛行速度である音速を遥かに超えるという意味でそう呼ばれています。
弾道ミサイルの飛行速度は最大マッハ10程度にも及びますが、弾道ミサイルという名が示す通り、基本的には弾道軌道をたどるので自由な軌道変更ができないため、着弾地点の予測が比較的容易です。
対して、極超音速飛翔体は自由な機動が可能であり、これが攻撃兵器に応用されると、迎撃が極めて困難とされます。
中国は、近年、こうした兵器の開発に熱心であり、多重に防御された米空母への攻撃を念頭にしているとされ、当然、日本にとっても脅威となります。
ただ、この手の兵器の誘導技術が本当に確立されているのか懐疑的な見方があります。
中国が開発したとされる対艦弾道ミサイルもそうですが、空母など移動する目標に対して自律的に航法が可能なのか、あるいは衛星など別のセンサーが捉えた情報を逐次正確に送信できるのか、など様々な疑問が残ります。
実際、孫子の兵法からすれば、「ある」と喧伝しているものこそ「ない」可能性があるので、今回、中国がこれ見よがしに成功したと発表したのは、米国などに対する牽制の意味合いが強いのではないでしょうか。
ただ、少なくともその飛行技術は米露を越えているようです。
そして、その開発を支えているのが潤沢な予算です。
中国が次々繰り出す新兵器に対し、日本としても有効な対抗手段を講じなければなりませんし、更には、開発競争で応じると共に、中国の開発予算の元を断つために貿易戦争は有効な手段の1つではないでしょうか。