2回目となる米露首脳会談が開催されました。
両首脳とも会談の成果を強調していますが、米国などではトランプ大統領に対しロシア疑惑が解明されていない中での融和を批判する声が上がっています。
日本国内の報道も、米国のマスコミと同様にトランプ大統領を批判的に伝えるものが多いように感じます。
米国内では、ロシアが先の米大統領選に介入した疑いを持たれていますが、その他にもロシアがスパイ行為を行ったことが明らかになったとして、今はロシアと関係改善を図る時ではないとの見方があります。
しかし、ロシアが米大統領選に介入したとされる“ロシア疑惑”では、特別検察官による長期の捜査にもかかわらずトランプ氏がロシアと結託したという証拠は見つかっていません。
また、米国に対するスパイ行為については、ロシアだけでなく中国も米国との間で苛烈なスパイ合戦を展開しており、ロシアによるスパイ行為をもって首脳会談の開催を批判するのであれば、米国は中国とも首脳会談を開催すべきではないことになります。
このような見方がある中で、米露が協調することは、世界の安定を築く上でたいへん重要です。
ヨーロッパでは、ロシアを脅威として見なす国が多く、そうした国々とロシアとの対立を米国が諌めることが可能となりますし、何よりも覇権拡大を続ける中国を牽制することができます。
中露は潜在的に敵対関係にありますが、もしも、中露が軍事的に結べば、軍事力が最強の米国であっても厄介な存在となります。
ですから、長年の対立を乗り越えてロシアとの関係改善を図るトランプ大統領の決断は、中長期的に見ても英断と言えるのではないでしょうか。