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2018/07/12【緊急事態条項の追加より緊急事態法の制定を】

 今回の西日本を中心とした豪雨では、平成に入って最大の犠牲者数となる公算が高まっています。

 被害は、人的なものに留まらず、各地で道路や上下水道などのインフラが破壊され、社会生活に大きな混乱をきたしています。
 

 こうした未曾有の災害に乗じる形で、憲法への緊急事態条項の追加という話が持ち上がっています。

 具体的には、災害や戦争など有事の際に選挙と重なった場合、緊急事態として議員の任期延長を認め、政治の空白を作らずに事態に対応するなどとするものです。

 しかし、非常時とは言え、政府の権限を強化することに慎重な意見があるのも事実ですし、そもそも改憲の手段として緊急事態条項の制定を訴えているに過ぎないのではないかという意見もあります。

 確かに、安倍政権は、憲法9条の改正を条項の追加という形で逃げ、国民が反対しにくい緊急事態条項の追加で、改憲そのものを推し進めていると見ることができます。

 ですから、改憲議論を進めるのであれば、正々堂々と憲法9条の改正を訴え、条項の追加ではなく、とりわけ9条2項の改正を議論すべきではないでしょか。

 緊急事態に対処するのであれば、改憲議論や、国民投票法の改正などを待っている暇はありません。

 
 まずは、規模災害や有事への対処を定めた緊急事態法を制定すべきであると考えます。

 そうすれば、例えば、激甚災害の指定に必要以上に時間を要するようなことは無くなるのではないでしょうか。

 
 いずれにせよ、今回の豪雨被害での迅速な捜索と復興が望まれますし、この災害を教訓として同じ悲劇を繰り返さない努力が必要です。