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2018/05/25【有権者に分かり易い選挙戦を】

 柏崎刈羽原発が立地する新潟県の知事選挙が告示され、与党が推す新人と5野党が推す新人の事実上の一騎打ちとなっています。

 今回の知事選挙は、野党系の前知事が女性問題で辞任したことにより行われるもので、原発問題が最大の焦点となっています。

 与党系の候補者は原発再稼動を容認する立場で、野党系の候補者は原発再稼動に反対する立場と位置付けられています。
 

 
 しかし、両候補者共に、現在、県の技術委員会が進めている福島第一原発事故の検証結果を踏まえて原発の可否を判断するとしています。

 これは、検証結果次第で賛成することも反対することもあり得るということのはずですが、実際は、与党系が容認で、野党系が反対ということになっています。

 ですから、両候補者共に主張が極めてあいまいであり、とりわけ野党系の候補者は、はじめから反対の立場を示しつつ、技術委員会の結果を待つということですから、矛盾すら感じます。

 これでは有権者に解り辛い難いのではないでしょうか。

 この新潟県の技術委員会による検証は、現在、国が進めている検証とは異なるものであり、検証に必要な情報が東電やその他の当事者から十分に得られているという保証はありません。

 にもかかわらず、県の技術委員会による検証を根拠に、原発の可否を論ずることには無理があるのではないでしょうか。

 そもそも原発問題は、経済的な観点からだけでなく、国のエネルギー安全保障の観点からも論ずべき問題ですから、一地方自治体の判断で決まる問題ではないと考えます。

 原発議論はもっと冷静に進めるべきではないでしょうか。