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2018/04/01【塾のいらない公教育の実現がチャンスの平等に結びつく】

 生活保護を受給する世帯の子どもが大学に進学する際に、一時金を支給する生活保護法の改正案が審議入りしました。
 

 生活保護を受給する世帯は学費に充てる余裕が無いためこうした支援制度は喜ばれますし、リベラルな風潮のもとでは与野党を問わず生活保護の拡充を志向する傾向にあります。

 しかし、大学へ進学した後の生活を支援したとしても、いわゆる教育格差は無くなりません。

 学費に充てるお金が十分にある裕福な世帯と、そうでない世帯では、大学に進学する前から差があるのが現実だからです。
 

 現在の高校、特に公立高校の授業だけでは、難関校と言われる大学に入学することは困難です。

 一部、進学に特化した高校もありますが、大部分の生徒は受験テクニックを取得するために塾や家庭教師を利用しています。

 学校以外で掛かる学費は非常に高く、生活保護を受給する世帯が、塾や家庭教師を利用することは難しいのが現状です。
 

 かくして、学費に余裕がある世帯の子どもはより高いレベルの大学に合格でき、そうでない世帯の子どもはそれなりの大学にしか合格できないという傾向が生まれます。

 
 もちろん本人の才能や努力次第で結果は変わりますが、経済的な差が教育レベルの差に与える影響は無視できません。
 
 
 高校での勉強は受験が全てでは無いと思いますが、大学受験がその後の人生に小さくない影響を与えることは事実です。
 

 ですから、政治がなすべきは、経済的な支援だけではなく、公教育の質の向上です。

 塾のいらない公教育を目指すことが、チャンスの平等に結びつくのではないでしょうか。