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2018/03/09【ネガティブ思考と闘うマインドを】

 航空自衛隊の「F-2」戦闘機の後継機について、防衛省は国産開発を断念する方向で検討に入ったと伝えられています(※)。

 国産開発は採算面で疑問が持たれているとされ、今後は、他国との共同開発や既存の機体の改良を軸に検討するものと思われます。

 莫大な費用が掛かる戦闘機開発は、幾つかの国が手掛けているものの、ビジネスとして成功していると言える例は、現行の機種では米国とロシアくらいしかありません。

 ですから、防衛省の判断もさもありなんという気もしますが、少し残念に思われてしまうのも事実です。
 

 初めから、「どうせ自衛隊にしか納入しないから」、「海外勢との競争に勝てないから」と考えてのことだとすると、現実的で慎重な判断と言えますが、一方で極めてネガティブな判断とも言えます。
 

 開発費を捻出するにあたっては、何も国費だけに限りません。

 防衛債の発行など、広く国民から集める手法も考えられます。
 

 そして、戦闘機開発は、その国の粋を集めての総力戦であり、国力の現れと言っても過言ではありません。

 海外に輸出する際は、単価が高くても、どうしてもその機体が欲しいと思われるような、限られた分野でもいいので、秀でた性能を持った戦闘機開発を目指してほしかったと思います。

 今後、共同開発にしろ、既存機の改良にしろ、技術蓄積の期間と捉えて、その次の戦闘機の開発に繋げてほしいものです。

 さもなくば、航空宇宙産業を日本の次世代の基幹産業とすることは遠退いてしまうのではないでしょうか。

 ※:3月6日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180306-OYT1T50019.html