米空母が約40年ぶりにベトナムに寄港します。
米国は、ベトナム戦争当時、「ヤンキーステーション」と呼ばれるベトナム沖の南シナ海のエリアに複数の空母を派遣し、そこからハノイなど北ベトナムに激しい空爆を加えました。
ベトナムにとって、その被害は甚大であり、米空母はかつての辛い記憶を呼び起こす象徴のような存在のはずです。
そのベトナムが、米空母の寄港を許すということは、ベトナムの危機感の大きさを表しているのではないでしょうか。
危機感のもとになっているのは、言うまでも無く中国の存在です。
ベトナムは中国と国境を接していますが、ベトナム戦争後、国境付近で戦火を交えていますし、南シナ海でも戦火を交えており、南沙諸島などでは現在も領有権問題も抱えています。
そうした中、近年、中国は急速に軍備を拡大し、特に海軍力では中国がベトナムを圧倒しています。
中国は、南シナ海の複数の環礁に人工島を作り要塞化するとともに、今後、空母を4隻程度就役させる見通しです。
この中国の動きに対しベトナムは、ロシアから通常動力の潜水艦を数隻購入する程度で、到底対抗できる状況にありません。
ですから、ベトナムは、南シナ海における米国のプレゼンスに期待をかけているということになります。
これに対して、日本は、ベトナムに対して海上警備当局との交流を強化しつつありますが、軍事面の交流はほとんどありません。
しかし、将来、東アジアにおける警察官としての役割は、日本が担っていくべきではないでしょうか。