ジンバブエのムガベ大統領は、最終的に辞任することで合意した模様です。
しかし、今回のクーデターは、不可解な点がいくつかあります。
例えば、軍がムガベ氏を軟禁下においたものの、その後もムガベ氏は権威を維持した状態でテレビ演説を行い、一旦は辞任の意思がないことを示したり、当面の後継者と見られていたムガベ氏の妻が事前にクーデターを察知したかのように国外に逃亡したり、大きな武力衝突が無かったりと、通常考えられるようなクーデターとは少し違うようです。
こうした中、CNNが今回のクーデターに中国が関与したのではないかという報道をしています(※)。
今回のクーデターの首謀者と見られる軍のトップが、クーデターの数日前に訪中しており、帰国後、間もなくしてくクーデターを起こしたことから、中国に対し事前に何らかの了承や約束を取り付けたのではないかと憶測を呼んでいるのです。
中国は、ジンバブエにとって最大の支援国ということですから、投資を無駄にしたくない中国が、国民から不評のムガベ一族を排除し、大きな混乱を起こすことなく政権移行することに加担したとの見方があるのです。
最貧国のジンバブエの指導者にとって、中国の支援はのどから手が出るほど欲しいでしょうから、支援と引き換えに、中国の影響を強く受けることになります。
そうなると、クーデター後にジンバブエに民主的な政府が誕生することは望み薄となります。
アフリカで、かつて植民地をほしいままにした欧米列強に代わって、中国が政治的にも軍事的にも影響力を強めれば、またアフリカに自由の無い暗黒の時代が到来するかもしれません。
※:11月20日付CNN日本版https://www.cnn.co.jp/world/35110706.html?tag=top;topStories