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2017/11/18【解散権の私物化を危惧する】

 安倍首相は所信表明演説を行いました。

 演説は、自身が先の解散総選挙の大義とした、消費税の使途の変更や、北朝鮮の脅威への対処について、深入りせずに淡々と触れただけで、所信表明としては、平成に入ってから2番目の短さというあっさりしたものでした。

 今回の演説からは、これまでのような安倍首相自身の思い入れが感じられず、如何に先の解散総選挙に真っ当な大義が無かったのかということを示しているのではないでしょうか。
 

 万一、総選挙期間中に北朝鮮が何らかの行動に出た場合のことを考えると、国民として気が気でなりませんでした。
実際、北朝鮮は総選挙期間中を含め、現在も暴発の危険性があり、あえて日本の政治空白を狙って挑発を仕掛けてくることは十分考えられました。

 今回、選挙期間中に北朝鮮が目立った動きを見せなかったことは幸いですが、それはトランプ大統領の強硬姿勢が奏功したからに他なりません。

 内閣総理大臣には、衆院の解散権がフリーハンドで与えられていますが、それは国を率いる責任と高い倫理観を前提としているからです。
過去にも、勝てる時に解散総選挙に打って出るという政権はありましたが、少なくとも明確な争点があったはずです。

 しかし、今回、安倍首相は“解散権の私物化”と指摘する報道もあったように、悪しき前例を作ってしまったと言えそうです。
 

 選挙の費用と衆院議員4年間の国民の負託は重いものです。
今後、政権を担う為政者は、解散権の私物化による政治空白を作らないことを教訓にして頂きたいと思います。