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2017/10/29【規制緩和の必要性】

 日産に続いてSUBARUでも、無資格の従業員が出荷前の検査を行っていたことが明らかになりました。

 自動車の出荷前の検査は国がメーカーに義務付けているものであり、有資格者が行うことになっています。
 

 神戸製鋼による製品データの改ざんに加え、今回の自動車メーカー2社の不正問題で、ものづくり立国日本を揺るがす事態であるとする声が上がっています。

 確かに、法令順守は企業としての基本的義務であり、ないがしろにしていたのであれば重大な問題です。

 ただ、今回の神戸製鋼の場合は、所定の性能を満たさない製品を満たしているかのように偽っていた可能性があるため、徹底した調査と改善が必要ですが、一方の自動車メーカー2社の場合は事情が異なるようです。

 特に、SUBARUの場合は、慣例として今回の不正が何十年にも渡って行われていたとのことですが、現時点で不備が報告されていないので、その間に行われた完成検査は実質的に機能していたようです。

 ですから、自動車の完成前検査は、そのあり方について国の関与がどの程度必要かを含めて、見直してもいいのではないでしょうか。

 自動車関連でいつもやり玉に上がるのは、日本の車検制度です。

 安全を確保する上でどうしても必要であるのならばいいのですが、自動車の品質が安定していなかったり、劣化が早かったりした数十年前の事情で生まれたこの制度は、米国などから参入障壁であるとして批判されています。
 

 自動車の技術は日進月歩であり、現在の自動車の多くは、車載のコンピュータ―が絶えず自己診断を行って、不具合が発生する予兆を捉えて知らせてくれますから、米国の要求にも一定の正当性があるようにも思えます。

 この他にも日本では、様々な規制が存在し、それが企業の自由度を損ねたり、役所が肥大化したりする要因になっているようです。
政府・与党は、規制緩和の必要性を説いておきながら、実際は様々な“しがらみ”の中で、なかなか既得権を打破できていません。

 政府は、規制の撤廃を断行し、民間の力を引き出す小さな政府を目指すべきではないでしょうか。