国連の安保理は、6回目の核実験を行った北朝鮮に対する制裁決議を採択しました。
制裁の内容は、一段と強化されたものとなりましたが、注目されていた原油の輸出禁止は盛り込まれませんでした。
中国は、北朝鮮を非難しつつも、北朝鮮を追い詰めるような制裁には慎重な姿勢を示しています。
その上で中国は、米軍による北朝鮮に対する武力行使に強く反対し、米朝の対話による解決を促しています。
確かに、武力行使は最終手段であって、対話により北朝鮮の核とミサイル開発の放棄を実現できれば、それに越したことはありません。
しかし、過去に北朝鮮は、国際社会と核放棄の対話をしている裏で、核開発を続けていたという前例がありますから、北朝鮮を信頼できる話し相手と見ることは難しいしょう。
また、中国が対話を促す背景には、尖閣諸島についても「日本が外交問題として認めて話し合いのテーブルに着くべき」との考えを、日本に受け入れさせようとする狙いがあるように感じられます。
国家間の話し合いは、いわばお互いの国がどこまで譲歩できるかということでもあります。
尖閣諸島に中国の領有権があるという根拠は、事実に即して微塵も無いわけですから、この中国の主張に乗ってはなりません。
「対話」は大切ですが、相手と内容次第では、話し合いのテーブルに着いたら最後、譲歩により主権の一部を明け渡すことにもなりかねないからです。