北朝鮮はグアム島周辺への弾道ミサイル発射を示唆するなど、ますます威嚇の度合いをエスカレートさせています。
こうした中、米国内の世論調査で、北朝鮮に対する軍事行動を支持する割合が50%に達したとの報道がありました。
この数字は、湾岸戦争直前の軍事行動支持の割合よりも低いものの、米国が実際に軍事行動に踏み切る際の一つの判断材料になるのかもしれません。
もちろん外交努力は最後まで尽くすべきであり、軍事行動は最終的な手段に他なりませんが、経済制裁に効果が見られないなど現下の情勢を踏まえれば、軍事行動も現実味を帯びてきたと言えます。
もしも、米軍による軍事行動が行われる場合、大規模かつ短期的な攻撃が考えられます。
隣接する韓国の被害を最小限に留めるために、休戦ライン周辺に配備されている火砲類や弾道ミサイル発射基地、それに北朝鮮司令部に対する一斉攻撃が、巡航ミサイルや航空機からスマート爆弾などによって行われることになるのでしょうか。
その際、先にアフガニスタンで使用され、核兵器を除けば最も破壊力のある兵器と言われ、注目されたことのある「MOAB」の使用も選択肢の一つとなるかもしれません。
ただ、MOABはあまりの大きさのため、爆撃機には搭載できず、輸送機からの投下となります。
よって、制空権下での使用が前提となるため、作戦初期段階の使用は制限されます。
従って、効果の大きいMOABやそれに準ずる爆弾を「MOP」などと並んで、「B-1」や「B-2」などの爆撃機に搭載できるようにすることが、作戦の成否の一端を左右するかものしれません。
いずれにせよ日本は、米軍による軍事行動もあり得るという前提で、備えを早急に整える必要があると考えます。