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2017/07/11【インドが台湾防衛に寄与する!?】

 米国が開発した戦闘機「F-16」をインドが生産するとのニュースが今月初め伝えられました。
F-16は約半世紀前に開発が始まった機体であり、ステルス戦闘機ではありませんが、改良が続けられ世界各国で主力機として運用されています。

 インドは、今までどちらかというと旧ソビエト製の装備を中心に揃えて来ましたが、東西どちらの陣営にもくみしない独自の外交政策を堅持してきました。
その中で、米国とは核開発の問題などで関係がぎくしゃくしてきたものの、オバマ政権下で関係改善が進み、今回、米国の主力機の一つであるF-16をインドがライセンス生産するに至りました。

 これを、経済的に大きな契約だけに、トランプ大統領のビジネスマンとしての面目躍如とする見方もありますが、インドを米国側に引き寄せる戦略上の一環と考えれば米国の外交上の勝利と見ることもできます。

 また、今回の契約で注目されるのは、インドが生産したF-16を第三国に輸出できることになっている点です。
もちろん、何らかの形で米国の同意は必要でしょうが、米国が外交上の理由で直接輸出できない国に対しても、インドからであれば輸出できるかもしれません。

 中でも台湾は、現有の主力機の一つであるF-16の老朽化に苦しんでおり、米国に対し再三に渡りF-16の能力向上型の供与を打診してきたものの、中国との関係に配慮した米国はことごとく供与を見送ってきました。

 今回、インドがF-16を生産することで、台湾へF-16の最新型を供与する道が開けたと言えるかもしれません。
だとするとここでもトランプ大統領の思慮深さが伺われます。

 日本の将来を見据えるならば、台湾と中国の戦力格差を縮めるために、日本は台湾の防衛力向上に積極的に寄与すべきではないでしょうか。