政府の月例経済報告によると、日本経済は緩やかな回復基調が続いているとのことです。
しかし、多くの国民にとって、景気が回復しているとの実感はないのではないでしょうか。
それにもかかわらず、安倍首相は、事ある毎にアベノミクスの効果を強調しています。
中でも、アベノミクスが効果を上げている証拠の一つとして、有効求人倍率が上昇していることを挙げています。
確かに、今年4月の有効求人倍率はバブル期を上回り、高止まりで推移しています。
しかし、有効求人倍率の上昇は、経済が好転しているというよりも、少子高齢化が進展し、労働力が不足しているという要素が強いとうのが実態です。
別の言い方をすれは、有効求人倍率の上昇は、AIやITの高度化で労働生産性を上げたり、移民を受け入れて労働力を確保したりするなどしなければ、経済が立ち行かなくなるという別の問題をはらんでいるということではないでしょうか。
安倍政権は、有効求人倍率の上昇を成果として強調する割には、働き方改革と称して、国民に対して働かないことを促すような政策を次々と繰り出しています。
過労死を招くような労働環境は改めるべきですが、働くことは美徳であるという感覚が失われないようにしなければなりません。
さもなければ、日本経済が好景気に沸く状況などは程遠いのではないでしょうか。