東京電力は、福島第一原発の事故以降、原発の再稼動の目途が立っていません。
東電としては、まずは柏崎刈羽原発の再稼動を優先する考えですが、新潟県知事をはじめとした地元の理解が得られず、経営計画からも目標とする再稼動の時期を明示できない事態となっています。
再稼動が容易でない背景には、もちろん福島第一原発の事故がありますが、もう一つ、トラブル隠しや原発施設に関する誤った説明など、東電の不祥事があるようです。
自己責任と言ってしまえばそれまでですが、東電に対する地元の信頼が揺らいでいることは事実のようです。
こうした中、東電は、原発が立地する柏崎市と刈羽村の全世帯4万戸ほどを対象に、原発の安全対策や不祥事の問題を説明するために、戸別訪問を始めました。
戸別訪問を実施するのは今回で3年連続となり、ある意味で涙ぐましい努力と言えます。
会社の方針とは言え、実際に訪問する社員には、時に厳しい意見が寄せられることもあるでしょうから、その心労が察っせられます。
原発の再稼動は、経済的な観点からのみから議論されがちですが、実際はエネルギー安全保障の観点から、不測の事態が起こった時に対処できる安定電源として死活的に大切です。
現場の社員の方々の努力が実って、安全が確認された原発が一日でも早く再稼動されることを願いたいと思います。