注目されていたフランス大統領選で、中道無所属のマクロン氏が、極右政党のルペン氏を破って当選しました。
マクロン氏は、EUの枠組維持、難民排斥反対、反保護貿易などを訴えており、マクロン氏の当選で、フランスの政治に大きな変化はないとして市場などからは好意的に受け取られているようです。
一方、敗れたルペン氏も、得票数を伸ばし極右政党の候補としては過去最高の得票を得ました。
ルペン氏は、フランスファーストを掲げ、EU離脱や、ロシアのクリミア併合の容認など注目される訴えが数多くあり、敗れたとは言え今後の活躍が期待されます。
さて、マクロン氏が、新大統領に就任するにあたり、注目したいのが中国との関係です。
選挙戦では、マクロン氏が中国との関係をどう考えているのかあまり伝わってきませんでした。
現在のオラント政権下では、低迷にあえぐフランス企業が多く、中国との関係で活路を見出そうとする動きがあります。
その中に、悪天候下でも艦上ヘリコプターの運用を容易にする装置を、フランス企業が日本の懸念をよそに中国に輸出するということがありました。
この他に過去には、現在の中国海軍の主力ヘリコプターの基になった機体を輸出したり、軍艦用の電子機器に技術協力したりと言うこともありました。
フランスは、極東から地理的に遠いということもあって、中国の脅威を過小評価している節があります。
日本は、マクロン次期大統領が、経済面での関係強化と引き換えに、中国に軍事面で協力するなどと言ったことにならないよう促すと共に、フランスと中国の関係を注意して見ていく必要があります。