台湾が潜水艦の自主開発に正式に踏み切るとのニュースがありました(※)。
中国の脅威にさらされ、日本と同様に島国である台湾にとって、潜水艦は国防のための要となる装備です。
しかし、現有の潜水艦の数は4隻と少ない上に艦齢が半世紀にも達する艦もあり老朽化が進んでいます。
台湾は、後ろ盾である米国に新たな潜水艦の調達可能性を探ってきましたが、米国は中国に対する配慮から潜水艦の供与に消極的である上に、そもそも米国には原子力潜水艦しかなく、台湾が装備可能な手ごろな非原子力の潜水艦がありませんでした。
また、1980年代に潜水艦の主要輸出国であるオランダからの調達を試みたものの、中国がオランダに政治的な圧力をかけたことなどにより、オランダからの調達は2隻に留まりました。
台湾は、必要な装備を米国から調達しようとすると中国への配慮から制限を受け、第三国から調達しようとすると中国が相手国に圧力をかけ相手国が引いていく、ということの繰り返しです。
今回の台湾の潜水艦自主開発は、中国との軍事力の差が日に日に大きくなる中で、やむにやまれぬ事情から決定したものです。
しかし、台湾の技術力は高い水準にあるとは言え、潜水艦の建造には様々な技術的ハードルがあり、本当に自主開発ができるのか不安を抱えています。
日本は、25日、台湾との断交後初めて日本政府の高官として総務副大臣が訪台し、食品・観光イベントに参加しますが、防衛関係の高官こそ、訪台を検討すべきではないでしょうか。
将来、日本からの防衛技術の供与を念頭に、同じ自由と民主主義の価値観を共有する国として、台湾に手を差し伸べるべきと考えます。
※:3月22日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/170322/wor1703220029-n1.html