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2017/03/04【豊洲問題と福島原発事故の共通点】

 豊洲移転問題で石原元東京都知事が会見を行いましたが、注目に値する新たな事実は無かったようです。

 会見での石原氏は「移転を裁可した責任は自分にあるものの、そこに至るまで様々な議論の場があった上での裁可なので、議会を含め都全体の責任だ」と言っているように聞こえ、最終権者として、石原氏らしからぬ男気に欠ける発言に感じました。

 ただ、石原氏は、このまま移転を留保することによる損失の大きさを指摘していましたが、石原氏の指摘にはもっともな部分があるのも確かであり、混乱や費用の負担増を考えると小池知事においても速やかに豊洲移転を実行に移す英断を下して頂きたいものです。

 また、会見では一点、心に残ったことがありました。
それは、京大の権威の方の言葉を引用して「豊洲の現況は全く危険がない。なんで豊洲に早く移さないのか。風評に負けて豊洲がこのまま放置されるのは科学が風評に負けたことになる。国辱だ。世界に日本が恥をかくことになる」という忠告をもらったことを紹介したことです。

 この忠告は、原発事故後の福島県にも通じることではないでしょうか。
福島では、国際機関が設定する値よりも実質的に厳しい目標値で、除染作業や帰還事業が進められており、これがネックとなって復興が進んでいない面があります。
実際には健康に影響しない閾値を大きく下回るような目標を掲げ、その目標をクリアできない地域は危険であるかのような印象が風評被害を大きくする要因の一つになっています。

 福島県においても、「福島安全宣言」を発して、帰還や復興を加速させる英断を下してほしいものです。