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2017/02/16【原発再稼動の雑感】

 東京電力は、原子力規制委員会に対し、柏崎刈羽原発の事故対応の拠点となる建物「免震重要棟」の耐震性を間違って報告していたと発表しました(※)。
これにより、再稼働に向けた審査に影響を与える可能があります。

 また、柏崎刈羽原発が立地する新潟県や柏崎市は、隠ぺいと見なされる事案が明らかになるなど、今回の件のみならず、東電の度重なる失態に不信感を高めています。

 確かに、東電の企業体質は改めるべき点もありますが、東電の社員やその協力企業の方々は、原発の安全性の確保や電力の安定供給に向けて日々真面目に取り組んでいるということを忘れてはならないと思います。

 同時に、立地自治体についても、「経済的な利益を優先して原発を誘致した」などと言われることがありますが、住民の皆様の思いを汲む必要もあります。
立地自治体には経済的な恩恵があることは事実ですが、住民の中には、「大都市に電源を供給している責任と自負がある」と語る方もいます。
原発は、ごみ処理場や基地などと並んで迷惑施設と言われることがありますが、誰かが引き受けなければならない施設を引き受けたという思いもあるのではないでしょうか。

 エネルギー自給率が決定的に乏しい日本にとって原発の再稼動は必要です。
原発の再稼動や事故対応に関連する多くの人々に思いをはせた上で、原発再稼動によるエネルギー安全保障の確保という国益を考えていきたいと思います。

※:2月15日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170215/k10010876891000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_007