安倍首相は、4か国の訪問を終え、最後の訪問国であるベトナムで記者会見を開き、今回の外遊の成果を発表しました。
その中で安倍首相は、中国を念頭に、各国首脳と法の支配が重要であるとの認識で一致したとし、日本が地域の平和と繁栄のために主導的な役割を果たしていく考えを示しました。
具体的には、日本は、フィリピン、インドネシア、ベトナムとは、それぞれの国の海上法執行機関の能力向上に協力するなどとし、オーストラリアとは軍事面の協力関係を一層推し進めるなどとしています。
今回の安倍首相の4か国歴訪は、日本と各国との関係を強化するとともに、強引な海洋進出を続ける中国に対する牽制となり、一定の評価ができると考えます。
しかし、日本が地域のリーダー国家として、平和と繁栄のために主導的な役割を真に果たす覚悟があるのであれば、フィリピン、インドネシア、ベトナムを含むASEAN諸国との軍事協力にも踏み切るべきではないでしょうか。
ASEAN諸国は、経済面で中国との関係を重視していますが、一方で、各国が軍事費を増大させていることからも分かるように、中国の海洋進出にも脅威を感じているのは事実です。
将来は、日本からの防衛装備品の輸出も視野に入れつつ、まずは海上法執行機関のみならず軍の能力向上にも協力する必要があると考えます。
ASEAN諸国と軍事面でも協力して中国包囲網を築くことが、中国による強引な海洋進出を思い止まらせる力となるのではないでしょうか。