中国が、スリランカの港を99年間に渡って管理運営することで合意する見通しとの報道がありました(※)。
事実であれば、中国は、ギリシャのピレウス港に続いて海外に自国の海軍艦艇が自由に利用できる拠点を確保することとなる可能性があります。
特に、潜在的に中国と対立するインドにとっては、目と鼻の先に中国の軍事拠点が構築されるということであり、安全保障上の大きな脅威となります。
イメージとしては、インドが台湾の港湾を取得するようなものではないでしょうか。
更に、スリランカは、マラッカ海峡を抜けて中東に至るシーレーン上に位置することから、周辺国のみならず日本にとっても他人ごとではありません。
スリランカでは、一昨年に親中的な政権が倒れ、各国とのバランスを重視する政権が誕生しましたが、今回の一件で中国が外交的な勝利を得たと言えるかもしれません。
ギリシャの港湾買収でも言えますが、中国は、経済的な困難にある国に対し、経済的な支援と引き換えに、軍事的な利益を得る外交を展開しています。
経済発展によって得た富を内外の豊かさの向上に使うことは健全なことですが、その富をどんどん軍事に費やして覇権を拡大するのであれば、大元の部分を断つ必要性があります。
米国のトランプ次期大統領は、その必要性を認識していると見ることができ、これも「トランプ革命」の一面といえます。
日本は、トランプ革命にアジャストしていくべきと考えます。
※:1月2日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170102/k10010827281000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005
【参考】:大川隆法著『繁栄への決断』幸福の科学出版https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785