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2016/12/16【歴史に学ぶと】

 中国が南沙諸島で造成を進めている人工島に、新たに「CIWS」などと呼ばれる近接防御システムを設置していることが分かりました(※)。
CIWSは、主に向かってくる航空機やミサイルを高性能の機関砲などで撃ち落とす兵器のことで、一般的に艦艇に装備されます。

 これらの人工島には、既に各種レーダーに加えて、対空ミサイルや対艦ミサイルなどが配備されていると伝えられており、今回、CIWSが確認されたことで、空母や駆逐艦と同等の装備を行うことで人工島を不沈艦として運用したいという中国の思惑が感じられます。

 南シナ海の各所に中国の艦艇が常駐していることになるので、付近を航行する艦船や航空機にとって、一定の脅威となることは間違いありません。

 しかし、不沈艦と言うと無敵かそれに近いイメージがありますが、別の見方をすれば、動かない艦と言うことになります。
動かない船は格好の標的です。
先の大戦中、旧日本軍が南洋の島々に滑走路などを造成し不沈空母として運用を試みたものの、補給等がままならず次々と攻略されていったことを思い出します。

 中国の習近平主席はオバマ大統領との会談で、人工島の軍事化は行わない旨を約束しておきながら平気で反故にしていますが、その軍事化の意味を冷静に分析する必要があります。

※:12月15日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010807711000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_010