稲田防衛相は、先進技術実証機「X-2」について、「将来戦闘機を我が国独自で開発する選択肢を与えるための非常に重要な取り組みだ」と述べました(※)。
確かに、各国の一線級の戦闘機を凌駕する性能の国産戦闘機を開発することは、日本の安全保障を高めると共に産業界の技術力向上に寄与するので、実現すべきです。
しかし、現代の戦闘機の開発は莫大なコストとクリアすべき技術的課題が多岐にわたるため、一国で担うことは困難であることは否めません。
実際、米国製のステルス戦闘機「F-35」や英国製の戦闘機「タイフーン」などは国際共同開発という形を取っています。
日本の将来戦闘機も、国際共同開発は選択肢の一つですが、日本の叡智を結集して純国産の技術で開発することが理想ですし、開発費についても「国防債」を発行するなどして新たな試みで必要な額を確保してほしいと考えます。
ただ、一つ気になるのは、米国のトランプ次期大統領の存在です。
ビジネス感覚に長けたトランプ氏は、日本の将来戦闘機として、再び共同開発や、米国製の機体を売り込んでくることが予想されます。
既に自衛隊が導入を決めているF-35の追加購入や、場合によっては、既に製造ラインが閉じた世界最強の呼び声が高いステルス戦闘機「F-22」の製造再開を持ちかけてくるかもしれません。
日本にとっては、悪い話ばかりではないと思いますが、国産戦闘機を実現するのであれば、日本政府には高い交渉力が求められます。
時の政権にそうした交渉力があることを期待したいと思いますが、既存の政治家の中に、トランプ氏と対等に渡り合える人物がどれほどいるでしょうか。
やはり、知恵と先見の明がある幸福実現党の政治家に携ってほしいものです。
※:12月2日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/161202/plt1612020050-n1.html