過激な言動で物議を醸したトランプ氏が、大統領選で勝利した要因の一つに、副大統領候補のマイク・ペンス氏の存在があるのではないでしょか。
トランプ氏は、既存の政治家には無い型破りなところが受けている反面、その型破りなところが欠点と見なされることもあります。
しかし、落ち着いて安定した印象のペンス氏がトランプ氏のそばに付いていると思えば、有権者は安心してトランプ氏を支持できたとも言えます。
ペンス氏は、副大統領候補の指名受諾演説の際、「私はキリスト教徒であり、保守派であり、共和党員だ(※)」と自己紹介したことからもわかる通り、何よりもキリスト教の伝統的な価値観を重視しています。
ペンス氏は、インディアナ州の知事を務めていたとは言え、決して知名度が高い存在ではありませんでした。
しかし、キリスト教の価値観を重んじていると言えば、人々はその人がどういう人物かだいたい想像できるのです。
それは、正しい宗教には人間が生きるべき規範とも言える倫理的な教えが説かれているからです。
これが、「私は無神論者です」と言う人がいたとしたら、それを聞いた人々は、その人がどういった価値観に基づいて行動するのか全く想像ができず不安になるのです。
キリスト教は、イスラム教との対立と言う観点で、とかく問題視されることもありますが、本来、キリスト教の根本には愛の教えが流れていますし、本来、イスラム教は寛容な宗教です。
そうした伝統的なキリスト教の価値観を重んじるペンス氏の手腕を期待して見守りたいと思います。
※:7月21日付毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20160722/k00/00m/030/087000c